1989年、東映動画、水木しげる原作、菅良幸脚本、佐藤順一監督作品。
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林間学校に来ていた悪魔くん（声-三田ゆう子）たち一行は、百目（深雪さなえ）が泳げないので、その特訓をしていると、突然、おかしな空間が現れ、その中に引き込まれると、そこには蓬莱島(ほうらいじま)という不思議な島があり、そこには八仙人なる人物が住んでいた。
彼らは、悪魔くんの存在そのものが世界を危うくしているのだといい、悪魔くんが悪魔くんであるのを止める事を要求する。
そして、ソロモンの笛を取られてしまうのだった。
そして、エジプトのピラミッドを守っていたスフィンクスが、突然、空中へ浮かび出した様子を見せる。
もともと、死者の霊を慰めていたスフィンクスがその役目を辞め、魔空間へと入り込んでしまうと、世界中にミイラやゾンビたちが蘇ってしまうのだと言う。
悪魔くんは、絵に描いた悪魔くんに魂を半分吸い取られると、そのスフィンクスを追って行く事になる。
悪魔くんは、見えない学校に戻り、ソロモンの笛を吹くと、学校の屋上からにプロペラが出てくて、空を飛行できるようになる。
それに乗って、スフィンクスを追った悪魔くんたちは、魔空間に入ろうとするスフィンクスの口の中に悪魔が入っていた事を知る。
スフィンクスは、その悪魔に騙されていたのだった。
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アニメ版「悪魔くん」の劇場版第1作だが、短い作品である。
テレビの実写版の方は知っているが、本作のベースになっているテレビアニメシリーズの方は観た事がない。どうやら、悪魔くんが魔法学校の仲間たちと一緒に悪の妖怪たちと戦うという設定になっているらしく、かなり水木しげるの原作のイメージとはかけ離れた（どちらかというと「悪魔くん千年王国」に近いのかも）、怖さよりも明るさやコミカルさを前面に押し出そうとする意図が感じられる。
キャラクターも、主役の悪魔くん自身をはじめ、メフィストジュニアのみならず、他の仲間たちも相当水木さんのタッチとは違った、可愛さ重視のものばかり。
どうも、原作のタイトルと主要キャラだけを頂戴した、全く別物と解釈した方が良さそうだ。
この作品では、冒頭の明るい林間学校のシーンから、不可思議な蓬莱島(ほうらいじま)、そして、プロペラで空間に浮かび上がる学校等、ファンタジックな様子やシーンが強調されており、怖さはほとんどない。
水木ファンや、実写版のファンには馴染めない感じがするが、ここから入ったファン層には、すんなりとけ込める夢の一編になっているのではないかと感じる。
