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忍者狩り

1964年、東映京都、高田宏治脚本、山内鉄也監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

三代将軍徳川家光は、豊臣恩顧の外様たちの取り潰しを行っていた。

6年前、今津藩六万石も、その犠牲になった藩の一つであった。

荒れ果てた城跡に佇み、過去を忍んでいた元今津藩家臣、和田倉五郎衛門(近衛十四郎)の前に突然現れ出た松山藩蒲生家に仕える村上靭負(穂高稔)なる侍は、彼の腕を買いに来たと切り出す。

蒲生家では城主忠知(関根永二郎)が病気で、余命幾許もないため、幼い嫡子種丸に家督を相続させる認可御墨付きを幕府より貰い受けていた。

その確認をするために、松山へ向った大目付、谷河内守(加賀邦男)が到着するまでの五日以内に、肝心の御墨付きがなくなれば、松山藩も取り潰せると考えた老中、久世大和守(安倍徹)は、秘かに公儀隠密の甲賀忍者、闇の蔵人(天津敏)にその実行を命じていた。

その後、早くも動き出した蔵人配下の忍者たちは、江戸を出発した松山藩の駕篭を襲って、御墨付きを奪うが、それは偽物であった。

そうした幕府の動きを事前に予測していた松山藩の城代家老会沢土佐(田村高廣)は、すでに御墨付きを入手しており、さらなる忍者迎撃のため、取り潰された外様の残党たち4人を、独断で雇い入れていた。

さの4人とは、和田倉はじめ、永長八右衛門(佐藤慶)、筧新蔵(山城新伍)、天野弥次郎(河原崎長一郎)の面々。

しかし、手練の武士たちが多いことで知られる松山藩の家臣たちは、自分達の技量に対する慢心から、この家老が集めた部外者たちを露骨に無視しはじめる。

そんな中、リーダー格の和田倉は、自分の過去の経験からしても、幕府の隠密は、すでに松山藩に侵入しており、それは、ここ最近、新規召し抱えになった8人の中にいるに違いないと目星を付けていた。

その中から隠密を絞り込むために、和田倉は土佐と相談して罠を仕掛けることにする。

かくして、城代屋敷の一室に御墨付きを置き、その部屋に、問題の8人を警護役として待機させることにするのだが、案の定、その夜、早くも忍者一味が城に潜入し、警護に当っていた並みいる家臣たちをしり目に、御墨付きに火を付け燃やしてしまうことにまんまと成功してしまう。

その直前、城出入りの本屋、天野屋と落ち合ったもう一人の男との二人組を追っていた弥次郎は、待ち伏せていた蔵人の含み針に両目を潰され、自害した形で、翌朝、城の門前で発見される事になる。

いよいよ、8人の中に隠密がいると確信した和田倉は、徹底的に拷問しても誰も口を割らぬと分かると、片っ端から8人の侍たちを斬り殺していく。

そのあまりの残酷さに耐えかねた家臣たちは土佐に詰め寄るが、このくらいしなければ隠密は倒せぬのだと、和田倉は言い放つのだった。

さらに、江戸からの密偵が来るとの話を広め、その使者を襲った甲賀忍者たちを、逆に返り討ちにした和田倉の手腕を影ながら確認した蔵人は、御墨付きは美保(北条きく子)という女中が持っているとの情報を得、彼女を、先に潜入させておいたくノ一白葉尼(高森和子)に誘い出させ、口を割らせようとするが、美保は下を噛んで自害してしまう。

もはや、御墨付き奪回は不可能と考えた蔵人は、毎日、天守閣から町を観る事を日課としている種丸を殺害せんと、手すりに仕掛けを施すが、これも寸での所で失敗。

そうした中、生死の境を彷徨っていた城主忠知が逝去する。

最後のチャンス到来とばかり、蔵人は、翌朝行われるその葬儀に出席する種丸暗殺に勝負をかける。

一方、和田倉らの方も、必ず出現するに違いない蔵人を待ち受けるのだが、蔵人の技量を知り抜いた和田倉には、正直、種丸の命を守りきる自信はなかった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

テレビの「隠密剣士」で火がついた空前の忍者ブームの最中に作られた作品。

近衛十四郎主演版「隠密剣士」ともいうべき内容とも思える。

本作の表向きの主人公は近衛十四郎だが、真の主人公とも言うべき人物は、その「隠密剣士」でブレイクした敵忍者役、天津敏と言っても過言ではない。

そのくらい、この作品での天津敏の存在感は際立っている。

「隠密剣士」で演じたイメージそのままに、正に最強の忍者と言う雰囲気で、ベテラン近衛十四郎と対峙しても、その迫力は一歩もひけをとっていない。

また、後のテレビ特撮時代劇「仮面の忍者 赤影」(1967)の悪役で知られるようになる汐路章も、天津敏の配下の忍者として、この時点からすでにちゃんと登場しているのにも注目したい。

天津敏同様、テレビ時代劇「素浪人 月影兵庫」でお茶の間の人気者になっていた近衛や、「風小憎」「白馬童子」など子供時代劇ヒーローだった山城新伍(この時点で、かなり肥満している)が、悪と戦う役所で出演しているのはうなずけるが、いつもは冷酷な役柄が多い佐藤慶まで正統派の用心棒を演じているのが興味深い。

この時代の忍者表現は、変にファンタジックなものではなく、それなりにリアルに表現されており、城に忍び込む忍者たちの動きなど、今観ても、十分納得できるものになっている。

ラストの対決は、設定も面白いし迫力も満点で、見ごたえがある。

天津敏ファンには必見の作品だろう。

ちなみに、近衛十四郎、角度によって、驚くほど息子の松方弘樹そっくりに見える時があり、改めて、血のつながりの強さを感じた。


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