1965年、東京映画、長瀬喜伴脚本、佐伯幸三監督作品。
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東台大学の試験日、丹波篠山からやって来た森田徳之助（森繁久彌）は、村役場に勤めながら検定で大学受験資格を得たという24才だが、かなり老けて見える。
山形蔵王からやって来たという伴野孫作は、高校を2年留年し、今年が3回目の受験、五浪の三井三平（三木のり平）共々、経験豊富だからか余裕綽々の様子だったが、受験票を忘れて来たのに気づいてない。
それを届けに来たのが、セーラー服姿の下宿屋の娘圭子（淡島千景）だったが、そんな彼女を見て、たちまち一目惚れしてしまったのが徳之助だった。
試験は、白髪の坂井先生（フランキー堺）監視の元で行われたが、孫作も三平も、全く分からず、互いにカンニングをさせろ、させないで大もめ、結局、坂井先生に試験会場からつまみ出されてしまうのだった。
それから25年が過ぎ、同じ東台大学に、新任の体育教師として赴任して来た坂井次郎（フランキー堺=二役）は、あの白髪の坂井先生の息子だった。
彼は、今や東台大学の守衛になっていた三平に挨拶した後、今や大学の教授となった徳之助のところへ出向き、学長から陸上競技部の部長も兼任してくれと頼まれたと報告する。
徳之助は、大学へ受かった後、生徒たちから「森しみ」とあだ名されるほどの本の虫、真面目一筋で教授になったものの、いまだに未婚のままという状態だった。
そんな徳之助が、今、秘かに思いを寄せているのは、救護室にいる校医の染子（池内淳子）だった。
彼女には、亡くなった前夫の間に5才になる一人息子正夫がおり、今は、清水に住んでいる彼女の妹の由美（大空真弓）が、その正夫を預かって面倒を見ていたのだった。
一方、結局、東台大学には受からなかった三平は、女房の藤子（淡路恵子）と共に、学生相手の麻雀店「満貫荘」も営んでおり、同じく受験失敗組の孫作の方は、その後事業で成功し、今や恵子と結婚し、学生時代から住んでいた下宿屋を改修した自宅に住んでいることもあり、しょっちゅう、満貫荘に遊びに寄っていた。
そんな伴野の離れに下宿をすることになった次郎は、伴野の娘で高校生の娘みどり（島かおり）が陸上部ということで、彼に面倒を見てくれと頼まれる。
次郎は、3年後のメキシコオリンピックを目指せる選手を育てることを決意する。
さらに、校医を辞めた染子は圭子の姪に当り、何気なく二人で再婚の話などしていたが、染子が徳之助に惚れられているらしいと聞いた圭子は面白くない。自分こそ、徳之助が学生時代から憧れていた女性だと思い込んでいたからだ。
その頃、三平の家には、浪人をしている甥の一郎（松山英太郎）が、郷里の尾道からやって来ていた。
三平は、家系的に足が早いはずの彼を陸上部の合宿で鍛えて、大学に合格させようと企んだ結果だったのだが、当の一郎は運動など大の苦手、得意なのはパチンコの腕だけという有り様、しかし、彼は三保の松原で行われている東台大学陸上競技部の合宿に、みどり共々無理矢理参加させられることになる。
そんな清水で合宿中の次郎は、偶然立ち寄った次郎長の墓の前で、正夫を遊ばせていた由美と出会い、一目惚れしてしまう。
合宿の成果があったのか、大学対抗競技会に応援に出ていた次郎、孫作、三平の三人は、酔った勢いで徳之助の家に上がり込み、みどりと一郎を体育の特待生として大学へ入学させてくれと頼み込むが、真面目一方の徳之助は、頑として承知しない。大学は真正面からぶつかって実力で入れというのである。
それを聞いた孫作は、後日、染子との仲を取り持ってくれないかと頼む徳之助に、同じ答えを返すのであった。
結局、次郎は由美と仮祝言を上げることになり、徳之助も思いきって、染子に求婚するのだった…。
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シリーズ13作目。
体育教師を演ずるフランキーを中心に、動きをメインにしたギャグが多用されている珍しい作品。
東京オリンピックが終わり、メキシコを目指した選手作りに励むという設定が時代を感じさせる。
冒頭の過去の再現シーンが結構おかしい。
大学受験の頃のレギュラー陣の様子が描かれているのだが、全員、受験生というより、どう観てもPTA関係者にしか見えないので、ナレーションでそれを逆手に取り、からかっている。
お下げでセーラー服姿の淡島千景も、ちょっと不気味可愛い。
試験監督役として登場する白髪姿のフランキーも強烈。
フランキーがドタバタ部分を担当しているのに対し、 森繁演ずる老教授の方は、比較的真面目な役柄として設定されており、真面目一方で学問だけに精進した結果、女性との縁に恵まれなかった老教授の老らくの恋の話が、叙情面を支える柱になっている。
新しく赴任して来た校医の役で、イーデス・ハンソンがゲスト出演している。
