2005年、アメリカ、ジョージ・ルーカス監督作品。
この作品、登場人物の説明や相関図は前2作でほぼ説明済みだし、旧シリーズを観ていた人にとっては結末は承知の事実。
つまり、ストーリー的な意外性は最初からほとんど期待できない訳で、後は金に証したビジュアルのオンパレードを観るしかない。
そういう意味では、確かに冒頭から見せ場の連続、アイデア満載のメカやクリーチャーが続々と登場して、それなりに楽しいのだが、正直VFX全盛で、そうした映像に食傷気味となった今、かつて旧シリーズの革新的SFXに驚嘆したほどの素朴な衝撃感はない。
また何やら、政治の裏側の駆け引きばかりを描いているようなコルサントのシーンも、新三部作では頻繁に出てくる単調な巨大都市風景同様、新鮮味が失われている。
とはいえ、最初からこのシリーズ、「荒唐無稽宇宙冒険物語」の発想で始まったのだから、理屈であれこれあら探ししても意味はないだろう。
子供に戻って、単純に楽しめば良い。
今回、一番感心したのは、グリーヴァス将軍の出来の良さ。
新三部作では、CGキャラの布表現にいつも注目していたのだが、今回のグリーヴァスのマントの完成度は高く、その動きは自然で違和感がほとんどない。
又、倒したジェダイのライトサーバーを収集しているなど、まるで「弁慶」である。
古典的な「怪人風のキャラ」と相まって、一番印象深かった。
又、ラストの火山での戦いも、こちらが想像した以上のビジュアルになっていた。(熱気が伝わって来ない恨みはあるが…)
後半になるにつれ、旧シリーズのデザインに合わせるため、急にメカやインテリア関係の感覚が古臭くなるのが御愛嬌。
善くも悪くも最終作ということで、さすがに観終わった後、幾許かの感傷に耽ったことも確か。
全体としては、やや詰め込み過ぎの感は否めないが、還暦を過ぎたルーカスにしては、良くぞここまでパワーを持続できたと賞賛したい。
