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テレビにも、怪獣作品が増え、世は正に怪獣ブームに明け暮れていた頃の作品。
怪獣ランドに、多くの怪獣が集まって、幸せに暮らしている…と言う、何とも脳天気な状況設定この作品から始まる。
キラアク星人と言う女性の姿をした宇宙人の手によってコントロールされた怪獣たちは、世界中に散らばり破壊活動を始めるのだった。
やがて、最強の敵キングギドラが宇宙から飛来し、コントロールの解けた怪獣たちとの決戦が始まる。
SF的な要素や、人気怪獣の総出演など、サービス満点の筋立てになっているが、テレビに人気を奪われがちの傾向に何とか一死を報いたい、映画製作者たちの苦肉の策とも言えよう。
劇中登場する、SY-3と言う飛行メカなども、なかなか東宝のメカの中では、洗練されたデザインで格好が良いのだが、これなども、テレビのヒーロー物に影響されているようにも思える。
ホリゾントに描かれた画面一杯の富士山の絵をバックに、数多くの怪獣たちが勢ぞろいする様は、それなりに圧巻であるし、世界各地での破壊シーンはスケール感もあり、東宝怪獣ものが、スペクタクル映画として、最後の意地を見せた作品のようにも感じられる。
一応、円谷英二の名前はまだ残されているが、実質的には若いスタッフたちが結集して作り上げた作品だったのではないだろうか。