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ゴジラVSスペースゴジラ

1994年、東宝映画、柏原寛司脚本、山下賢章監督作品。

前作で登場した愛くるしいベビ−ゴジラや、懐かしいモゲラがリニューアルされて登場する。
「VSビオランテ」戦で宇宙に飛び散ったゴジラ細胞が、ブラックホールに吸い込まれ…?
とにかく、スペースゴジラになって、地球へ帰ってくる。
九州を縦断したゴジラが最終決戦の場所として、福岡タワー周辺でスペースゴジラと戦う…と言うお話。
前半は、南の孤島が舞台なのだが、柄本明扮する結城がゴジラと個人的な戦いを繰り広げる設定が、今一つ説得力を持たず、やや単調な展開となっている。
この話と、スペースゴジラが襲来する話が、交差した形で語られるのだが、どう観ても、緊迫感を互いに打ち消し合ってしまっており、退屈な印象を与える。
脚本、演出両面とも凡庸で、クライマックスの舞台として選ばれた福岡市内も、かつての地方色は薄れ、バブルビルが林立するようなリアリティに乏しい町並みになっており(福岡タワーの周辺は、かつての地方博後で、奇抜なパビリオンめいた建物しかない)、それが、物語の荒唐無稽さを余計に強調する結果となってしまった。
G-フォースのモゲラも加わった、派手な三つどもえの戦いも空疎さだけが残り、際立った満足感は得られない。
シリーズが、完全にマンネリ化してきた典型的な時期の作品と言える。
しかし、他のシリーズ作品と切り離して、この作品だけ観れば、それなりに楽しめなくはない…かも知れない。