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ゴジラVSキングギドラ

1991年、東宝映画、大森一樹+監督作品。

前作で意欲的な仕事ぶりを見せた、大森監督と川北特技監督が、満を持して送りだしたのは、最強の人気ライバル、キングギドラを迎えての超時空対決であった。
謎のUFOが出現し、やがて、彼らは未来からの使者だと分かる。
彼らにとっても脅威であるゴジラをこの世から抹消するため、タイムマシンで、生まれる前のゴジラを消してしまえば良いと、政府は説得されるのだが…。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のヒットなどから発想のヒントを得たらしい奇抜なアイデアは、それまでのゴジラ映画にはなかった新鮮な驚きを生み出す事に成功している。
第2次世界大戦中での恐竜出現に日本兵が助けられるなど、良い意味での「荒唐無稽」が、ストーリーに面白く生かされており、また、ゲーム感覚を強調した2大怪獣の決戦も、理屈抜きの楽しさに満ちていると思える。
バブルの象徴とも言われた東京都庁ビルが再現されている通り、この作品こそ「バブル」まっただ中の時期に作られた、まさに「バブルゴジラ映画」になっているのが興味深い。
今観ると「日本が経済力で世界を制覇する…」など、ギャグにしか思えない設定も、当時は、ひょっとしたら…と思わせる時代であった事も確かで、そうした事からも、その時々の時代をうまく表現し得ていた、初期の頃のゴジラ映画の血筋をきちんと受け継いだ作風と言えるかも知れない。
何かと悪評サクサクの平成シリーズだが、この作品はそうした中では、もっとも成功している…と思える。