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ゴジラVSデストロイア

1995年、東宝映画、大森一樹脚本、大河原孝夫監督作品。

ハリウッド製ゴジラの登場を待つ間に、作り続けられてきた感もある平成ゴジラシリーズだったが、いよいよ、シリーズの基盤を形作った大森一樹監督が再びメガホンを取り、ゴジラが自らメルトダウンを起こして消滅する…?と言う最終作を作り上げた。
昭和29年の最初のゴジラ襲撃の際、海中で使用されたオキシジェン・デストロイヤーの副作用で、別のモンスターが秘かに成長していた…と言うお話。
初回作へのオマージュ色も強く、河内桃子も出演している。
何時の間にか、荒唐無稽化が進んでいたシリーズ作品だったが、ここへ来て初期怪獣映画の原点回帰を目指したのか、かつての恐怖映画らしい演出が試みられている。
しかし、映画の冒頭から、出ずっぱりのゴジラに、もはや感情移入できる魅力などは薄れ、「VSキングギドラ」で消滅したはずの初代ゴジラとのストーリー的整合性もなく、敵役のデストロイアも今一つ魅力に乏しい…など不満点も目立ち、それなりに予算を注ぎ込んで作り込まれたミニチュアセットのパノラマ感や、成長したジュニアゴジラの姿に、いくらかの成果を見い出す以外には、これと言った魅力に乏しい作品となっている。
それでも、ラストで、ゴジラがメルトダウンを起こし、消え去っていくシーンには、それなりの感傷は沸き上がるはずだ。
欠点も多いが、それなりに、最終作としての見所も持った力作だと思う。
文字どおり、これが最後のゴジラ映画であったなら、その後の悲劇(喜劇?)は起きなかったとも思えるのだが…。