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ガメラ2 レギオン襲来

1996年、大映+日本テレビ放送網+博報堂+富士通+日本出版販売、伊藤和典脚本、金子修介監督作品。

「平成ガメラ」一作目が、予想以上の反響を呼んだので、二作目に賭けるスタッフたちの意気込みは、大変な物があったに違いないと想像出来る。
かねてより、準備されながら、実現に至らなかった金子監督と脚本の伊藤氏による、劇場版「ウルトラQ」の「ガラダマ」や「マンモスフラワー」のエピソードがここで復活する事になるのである。
テンポの良い導入部分から、「テラフォーミング」目的の宇宙怪獣が出現するまでのアイデアは、ほとんど「ガラダマ」におけるガラモンを、下敷きにした物である事は明らかで、名作「ラドン」にヒントを得たと思われる、ソルジャーレギオンと人間との接触シーンなど、「怪獣物の定番スタイル」を踏襲する事によって、安心感のある展開に、若き樋口氏の野心的な特撮シーンが重なり、マニアにとってはノリノリの、たまらない作りとなっている。
しかし、この「定番スタイルの踏襲」が、逆に映画としての「斬新さ」に、やや欠けるのでは…という感情を抱かせるのも又確かで、予算の関係もあってか、クライマックスの決闘の演出にややねばりがない点、人間ドラマが途中で希薄になってしまう点なども含め、「傑作まで、後一歩なのに〜」という、歯がゆさも感じてしまう。
それでも、低予算の中で、精一杯の努力をしたスタッフ達の熱い気持ちは十二分に画面から伝わってきて、これだけ、手に汗して楽しめる娯楽作も、近年珍しいと思える。
ちなみに、この映画の予告編の出来も出色で、公開直前版などは、観ただけで、鳥肌が立つほどの興奮ものである。