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大魔神

「大怪獣決闘・ガメラ対バルゴン」の併映作品。
戦国時代、ある森の中に「埴輪」に似た巨大な魔神像が眠っていた。
恐れを知らず圧政で領民を苦しめていた悪家老は、この魔神の額に鉄杭を打ち込み、自らの力を誇示しただけではなく、隠れていた若君をも捕らえ処刑しようとする。
美しい姫(高田美和)は、山の魔神に救援を祈るのだが、その目から溢れ出た涙が魔神に滴ると…。
「ゴーレム」を連想させる、身長10メートルの魔神像は独創的で、かつ、大きさも「恐怖」を感じさせる絶妙の設定で、破壊シーンに用意された城のミニチュアはスケール感も大きく、その迫力は凡百の特撮物では味わえない魅力に溢れている。
映画として観ると、合成など、当時の技術的限界を感じさせる部分もあるが、何より、いまだに、その名が伝わるキャラクターの独創性は、比類のない物であろう。
一旦変身して動き出すと、善と悪も区別なく…という「神の怒り」の姿は、「宗教心」とは関係なく、観る者に言い知れない「恐れ」を抱かせる所がすごい。
特撮時代劇と言えば、すぐにこの作品の名が思い浮かぶ事から考えても、邦画が生んだ代表的傑作特撮物の一本と呼んで良い作品だと思う。