TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

暴走特急

戦艦を舞台に「海のダイ・ハード」と言った趣だった前作に比べ、移動する列車を舞台に、兵器衛星を奪ったテロリストと、ラインバックの戦いを描いた作品。
連続活劇風に、色々、仕掛けは凝っているが、列車と言う舞台自体が、アクション映画では、過去何度も使い古されている、新味のない設定であるのに加え、「兵器衛星」など、007シリーズでさえも、もはや使わなくなったような陳腐なアイデアが、作品全体のリアルなサスペンス感を薄っぺらな物にしてしまったのは否めない。
実戦を離れ長いはずの、コックのラインバックが、最新通信機器を苦もなく使いこなしたり、どこかで見たような感じが付きまとう、アクションシーンの数々が、観ていて妙にしらけさせる部分でもある。
全体的に、「荒唐無稽感」が充満しており、そういう話が大好きな方には、お薦めできると思う。
良く指摘される事ではあるが、セガ−ル自身が、実際の武道家であるため、本人が自ら演じている画面上のアクションが、逆に「絵的に」迫力不足に見えてしまう…、と言ううらみも確かにあるようだ。
ただでさえ狭い、列車と言う「密室」を、あれこれ、変化させて見せようと苦労しているのは解るが、いかんせん、ラインバックが活躍するには、スケール感に限界があったように思える。
そうは言っても、後半には、ステルス機の登場や、橋の崩壊&列車転覆スペクタクルなど、見せ場も用意されており、それなりに、肩の凝らない娯楽作としては楽しめるのではないだろうか。