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続網走番外地

1965年、東映東京、伊藤一原作、石井輝男脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

深夜3時過ぎ、函館銀行の金庫をバーナーで焼き切っている怪し気な2人組。

見回りに来て二人に気づいたガードマンは強奪犯に撃たれ死亡、さらに、開いた金庫の中で大量の宝石を見つけたバーナー係が、もう一人の賊から射殺されてしまう。

翌々日、函館港には網走を出所した橘真一(高倉健)と舎弟の大槻(アイ・ジョージ)が青森への輸送船を待っていた。

さらに、5年前の郡山の3人殺しを自白するからと、護衛官付きで現地へ向っているムショ仲間桐川(田中邦衛)、さらにストリッパーの集団が同じ船に乗るため集まってくる。

そのストリッパーの一人、スネークの路子(三原葉子)は、赤ん坊とペット吹きの亭主(大坂四郎)連れだったが、その赤ん坊が水を欲しがってむずかっているのを見た真一は、飲みかけのジュースを渡してやる。

その真一にぶつかって来た女がおり、真一は彼女がスリだと即座に見抜き、彼女を問いつめる。
ユミ(嵯峨美智子)と名乗ったその女は観念し、真一と一緒に船に乗る事になる。

ようやく出航した輸送船の中で、今度は置き引きが発生。
船員たちによる乗客全員の身体検査が始まるが、その際、修道女が荷物を見せようとしないので、船員ともみ合いの末、彼女の荷物から大量のマリモのイミテーションが甲板に転がり出る。

その一つをちゃっかりポケットに忍ばせたのが大槻、しかし、その様子は、同じ甲板上にいた本当の置き引き犯(潮健児)に目撃されていた。

青森に着いたものの、列車事故で東北線は運休、しかも、真一が金を預けていた大槻はしっかりユミに財布をすられていた。

文無しになった二人は、別々のつてを頼りに、神社の境内でテキ屋と物乞いを始めるが、そんな大槻に、大金を恵む縞の背広の男(室田日出男)が現れ、輸送船の中で拾ったマリモを寄越せという。

夜、鳥居の前で渡すと約束した大槻、さっそくその事を真一に打ち明けるが、バッグに忍ばせたマリモから出てきたのは宝石だった。

真一は、一昨日、函館銀行で起こった銀行強盗の事を思い出し、関わりになりたくないので、警察に届けようとするが、それを止めるよう声をかけて来たのは、船で別れたユミだった。

彼女が二人に見せた新聞記事によると、マリモの運び屋だったと思しき修道尼は、マリモの一つが紛失したと分かった直後、輸送船から突き落とされて死んだらしく、その犯人が、真一、大槻、ユミの3人組らしいと、置き引き犯人が証言したというのであった。

身の証をたてるには、真犯人を捕まえるしかないと判断した真一は、さっそくその夜、縞の背広の男を待ち受けるが、男は罠に気づいたのか現れない。

それでは、こちらから相手の罠にかかろうと、偽物のマリモを見せびらかせながら列車に乗り込んだ三人の前に出現したのは、ワルサーを懐に忍ばせた殺し屋風の男(中谷一郎)。

しかし、機転を効かせた真一は、止まった駅で駅弁を買う振りをして、本物のマリモを弁当売りの少女に渡してしまう。

さらに、その駅に止まった次の列車に乗ったストリッパーたちの一団の路子が、その売り子からマリモを買ってしまう。

かくして、宝石の入ったマリモをめぐる、真一たちと真犯人グループとの争奪戦が始まる…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

前作の思わぬヒットにより、急遽作られた続編らしいが、今回は、出所し背広姿になった健さんが、私立探偵まがいの大活躍をするサスペンス劇になっている。

前作同様、田中邦衛などお馴染み所が何人か登場しているが、前作で田中が演じた大槻という名前を今回演じているのは歌手のアイ・ジョージ。

同じ名前で登場するキャラクターもいるが、前作で紹介された刑期などを考えると、全員同時期にシャバで再会できるはずもなく、基本的には全くの別の話と解釈すべきだろう。

基本的には、宝石争奪戦に真一たちが巻き込まれるという通俗的なアイデアなのだが、船、列車、病院、賭場など、場面設定も変化に富み、飽きさせない演出になっている。

スリの美女も加わった3人組が、悪人と宝石を奪い合うといえば、「ルパン3世」などを連想するが、おそらくこの当時流行っていた「007」や「ピンク・パンサー」シリーズなどを意識しているのではないかと思われる。

健さんが007宜しく賭場で勝負するシーンや、トルコ風呂で拷問されるシーン等が用意されている。

さらに今回の最大の見所は、健さんが「寅さん」よろしくテキ屋となって「カラーパンティー」を売るシーンだろう。

ナイロンパンティーを手にしながら啖呵売をする高倉健というのも、なかなか観られるものではない。

今回も単なる腕っぷしの強いチンピラというだけではなく、病気の赤ん坊を救おうとムキになるなど、優しい一面を見せたりする。

キャラクター設定が巧い石井監督らしく、今回も、子供持ちながら脱ぎっぷりが良く、酒と博打が大好きなストリッパー役の三原葉子や、その亭主で、いかにも気が弱くお人好しに見える大坂四郎、真一の人柄に惚れてしまう殺し屋役、中谷一郎など、魅力的なキャラクターが何人も登場する。

嵯峨美智子が演じている無機的な表情の女スリユミも、色っぽいというよりアンドロイド風でインパクトがある。

クライマックスは、地元の火祭りの人込の中でのマリモのキャッチボールから、走るトラックの上での格闘など等、正に連続活劇の醍醐味が楽しめる。


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