1982年、ティム・バートン脚本+監督作品。
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ヴィンセント・マロイはペットの犬や妹や母親と暮している7才の少年だが、人と違っていたのは、怪奇俳優のヴィンセント・プライスに異常に憧れていたこと。
彼は、身の廻りの何を観ても怪奇映画のキャラクターや世界に見えてしまうおかしな性癖を持っていた。
叔母が訪ねてくれば、彼女を鑞人形にする妄想に耽るし、愛犬を見るとゾンビにしたくなる…等々。
母親は、部屋に閉じこもって外へ出ようとしない彼を心配して絶えず小言を繰り返すのだが、マロイの夢想癖は変わらない。
そんなマロイがある日、愛読書のポーの本を読みふけっていると…。
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日本では「ジャイアント・ピーチ」の併映として公開された、ティム・バートンがはじめて作った人形アニメの掌編フィルム。
ストーリーはあってなきがようなもので、怪奇世界、特に怪奇俳優ヴィンセント・プライスと、彼が60年代に良く出演していたエドガー・アラン・ポー作品への作者の飽くなき憧憬がひしひしと伝わってくるようなこだわりのビジュアルを楽しむ作品といえよう。
主人公の少年マロイはその面影だけではなく、性癖もバートンそのものなのだろう、と思わせるような趣味性の強い世界になっている。
美術等も自身が手掛けているだけに、この後の人形アニメ作品「ジャイアント・ピーチ」などに通ずるような独自のデザインセンスが、この当時からすでに見受けられる。
なお、この作品のナレーションを勤めているのは、主人公マロイの憧れの的とされているヴィンセント・プライス本人というのも、マニアのこだわりが感じられる所であろう。
極めて短い作品ながら、その完成度は高い。
