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放課後

1972年、東宝映画、井手俊郎脚本、森谷司郎監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

亜矢子(栗田ひろみ)は、世田谷線で通学する16才の女子高生。

自宅の離れを北沢研二(地井武男)と夏子(宮本信子)夫婦と、研二の同僚の息子で、亜矢子と同級生の勉(沢井正延)に貸している。

亜矢子は研二に大人の魅力を感じており、しょっちゅう、離れに遊びにいっている。

一方、勉の方はカメラに夢中なのだが、興味があるのはヌードだけ、秘かに亜矢子を撮りたいと願っているらしい。

そんな勉と亜矢子、同じくクラスメイトのめぐみ(加藤小夜子)は、見知らぬ女性と歩いている研二を町中で発見、勉は持っていたカメラでその様子を盗撮する。

研二と歩いていた女性は、青山のスナック「Candy」のオーナーで、亜矢子たちの高校の3年生、秀才の小宮克彦(島村美輝)の姉でもある由紀(宇都宮雅代)といった。

現像した問題の写真を、仕事から帰宅した夏子に見られてしまった事から、彼らの間に微妙な不信感の波紋が広がって行く…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

大人の世界に憧れ、恋に恋し、遊びと真剣の区別すらおぼつかない、微妙な年代の女の子の揺れ動く心と、彼女に翻弄されてあっさり崩れて行く、大人たちの男女関係のはかなさを描いている。

あのチイチイ(地井武男)が、大人の女性からだけではなく、少女からも「感じが良い人」としてモテまくる…というのが、意外な感じもしないでもないが、この頃のチイチイは確かに若く魅力的である。

一方、この時期の宮本信子の方はといえば、若いでもなく、老けているでもなく、美人という訳でもなく、不美人という訳でもなく、何となく中途半端な印象の女優だった事が分かる。
どこにでもいそうなお姉さん…という感じが、かえって、この時代の映画の中ではリアルに見えたりもするのだが…。

その後、伊丹十三監督の作品がヒットしていなければ、どういう道を歩んでいたか、興味ある所だ。

70年代に活躍していた女優さんで、その後も順風満帆な人は少ないように思えるから。

スナック「Candy」のアルバイトとして、篠ヒロコが出演しているのも見所。

主題歌「夢の中へ」を初め、前編に井上陽水の初期の代表曲が流れるだけでなく、ちあきなおみの「喝采」や三善英史の「雨」などのヒット曲が劇中に挿入され時代を表現している。

取り立てて大きな展開が用意されている訳ではないが、さりげない日常生活に潜む微妙な人間関係の揺らめきを、屋外ロケなども多用し、丁寧に綴った70年代らしい佳作である。 


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