1984年、アメリカ、レニイ・リップス脚本、ティム・バートン原案+監督作品。
▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼
ヴィクター・フランケンシュタインは、近所の友達と両親相手に「太古の怪獣たち」という8mm映画を披露していた。
その作品中で恐竜に扮しているのは、ヴィクターの愛犬スパーキー。
映写が終わるとさっそくスパーキーとボール遊びに興ずるヴィクターだったが、ボールを追って、家の前の道路に走って行ったスパーキーは、自動車に弾かれて死亡してしまう。
無二の親友を亡くし、すっかり気落ちしたヴィクターだったが、学校の理科の授業中、死んだカエルの中枢神経に電極を当てると筋肉が動く実験を見せられたことからあるひらめきを受ける。
さっそく家に帰ったヴィクターは、台所にあったトースターなど、身近な電気用品や部品類を掻き集めると、隣のおじさんが怪しむのも気にせず、天窓から避雷針を突き出すと、墓から掘り起こして来たスパーキーの遺体に電極を繋ぎ、落雷を待ち受ける。
やがて、予想通り落雷の電流がスパーキーの遺体に流れ、スパーキーは蘇る。
すっかり元気になったスパーキーだったが、首のつなぎ目から飲んだ水が漏れ出すなど、ちょっと不完全な所も。
翌日、家から飛び出したスパーキーは、隣の家のガレージの中に入り込むが、それを隣の主人が発見。
さらに、その妻、一人娘もスパーキーの陰におびえる。
帰宅して来たヴィクターの両親は、隣人たちから怪し気な動物の話を聞かされ困惑顔。
何かの誤解だと思っていた両親も、二階の部屋にいるヴィクターとスパーキーを観て愕然。
それでも、可愛い以前のペットだと信じ、近所の人たちを招いて、スパーキーを紹介するホームパーティを開いた所、ヴィクターに抱きかかえられていたスパーキーが突然客の前に飛び出し、客たちはパニック状態になる。
すっかり、スパーキーをモンスターだと思い込んだ隣人たちは、こぞって逃げ出したスパーキーを追い掛けるのだが、スパーキーがたどり着いたのは、閉鎖されたミニゴルフ場の「風車小屋」の中。
ヴィクターも、スパーキーを捕まえようとその中に入り込んだ時、床板が落ちて、ヴィクターは閉じ込められてしまう。
さらに、ちょっとしたはずみから、隣人の一人が持っていた火が小屋に燃え移り、風車小屋はあっという間に炎に包まれてしまう…。
▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼
ティム・バートン監督がディズニー・スタジオに在籍中、処女作「ヴィンセント」に次ぎ作った短編フイルムの2作目。
誰にでも明らかなように、モンスター映画の古典の一つ「フランケンシュタイン」とその続編「フランケンシュタインの花嫁」のパロディである。
モノクロフイルムで描かれた何気ない日常生活が、徐々に怪奇世界に変貌して行く様がおかしい。
ただ、オリジナルをもじったアイデアが随所に登場するだけに、オリジナルを知らないとピンと来ない部分があるかも知れない。
特におかしいのは、スパーキーの陰におびえる少女が、レオタードスタイルでバービー人形と一緒にダイエット体操をしているくだりのバカバカしさ。
スパーキー自体は何も悪さをしていないのに、周囲の人間の方が勝手にパニック状態に陥っている辺りの描写が、何やら意味ありげ。
ごく短い作品ながら、結構予算をかけているらしく、作りはしっかりしており、ちゃちさは微塵もない。
身近な電気用品などを組み合わせて、オリジナルのフランケンシュタイン博士の実験装置そっくりの雰囲気を作っているセットなども見事というしかない。
主役のヴィクターに扮しているのは「ネバーエンディングストーリー」のバレット・オリバー。
その母親を演じているのは、「シャイニング」や「ポパイ」のオリーブ役で知られるシャーリー・デュヴァルである。
