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湘南爆走族

1987年、東映東京、吉田聡原作、和泉聖治脚本、山田大樹脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

写真週刊誌「SATURDAY」に、湘南を走る5人の狼と謳った湘南爆走族、略して湘爆を紹介する記事が載り、地元の女学生たちが湘南モノレールの中でも盛り上がっている。

その車内にいた湘南爆走族のライバル的存在「地獄の軍団」の瀬島は、ちょっと自分達のグループがバカにされているのを聞き、肩身が狭い。

しかし当の湘南爆走族のメンバーたちの現実はと言えば、三色メッシュをいれた親衛隊長の石川晃(織田裕二)はラーメン屋の出前持ち、モヒカン頭の丸川(村沢寿彦)は映画館でアイス売り、桜井信二(佐藤健)は実家の相模新聞の配達などアルバイトに勢を出していたが、全員金欠状態のみじめな毎日。

しかも、二代目リーダーの江口洋助(江口洋介)は手芸部の部長という変わり種と言う事もあり、メンバーの意気は今一つ盛り上がらない。

江口は、手芸部副部長の津山さん(清水美沙)を彼女と思っている。

メンバー連れ立って、初代リーダー桃山マコ(杉本彩)の夫、茂(須藤正裕)の経営するラーメンShopに出かけても、一杯のラーメンを皆が少しづつすすりあうと言うみじめさから抜けだせないでいた。

そんな貧乏暮らしを解消しようと、江口は、富士山までツーリングするアドベンチャー茶道部という奇抜なアイデアを思い付くが、メンバーたちが茶摘み娘の格好をして客に茶を配ると言う情けない結果になる。

対する「地獄の軍団」の方も、二代目リーダー剛田(翔)が、グループの宣伝ビデオ作りに明け暮れ、頭数だけは増えているが…といった体たらく。

そんなどこかのんきな湘南に、横浜御伽というグループが進出して来たと言う噂が流れる。

事実、石川と付き合っている民子(杉浦幸)が、中学時代の先輩で、今は横浜御伽のメンバー神林(森一馬)から声をかけられ、それを知った石川は、彼女の前で、神林をぼこぼこにしてしまう。

しかし、民子は、そんなヤクザじみた石川の態度を諌める。

それを知った横浜御伽のリーダー城崎(竹内力)は、湘爆をつぶそうと石川に呼び出しをかける。

石川は、自分が撒いた種を刈るつもりで、他のメンバーには内緒で、一人で横浜御伽の待つ倉庫へ出かけて行くのだった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

少年キング連載の人気コミックの映画化で、江口洋介、織田裕二、清水美沙らが一斉にデビューした作品でもある。

おそらく、当時人気だった「ビー・バップ・ハイスクール」(1985〜88)路線を受け継ぐシリーズ化を狙った企画だったのだろう。

コミックそのままのヘアスタイルをした主人公たちは、今観ると滑稽以外の何ものでもなく、事実、テレビの「あの有名人が昔はこんな事をやっていた」というようなバラエティ企画などで紹介されたりもしているくらい。

織田裕二や江口洋介など割と簡単に識別できる男性陣はともかく、どんなに注視しても今のイメージと結びつかない清水美沙や杉本彩など女優陣の懐かし映像は貴重。

ほっそりした竹内力も、今、意外と見分けにくいかも知れない。

トミー(国広富之)とマツ(松崎しげる)がちらりと登場していたりする所に時代を感じさせる。

前半部分は、たらたらしたコントの寄せ集めといった印象。

コミックでは、こうした「たらたら感」もそれなりに受け入れられるものなのかも知れないが、映像ではさすがにきつい。

しかし、完全なトホホ映画なのかといえば、後半の乱闘シーンなど、チープなまでもそれなりに見ごたえもあり、後味はそう悪くない。

出演者のファンにとっては、珍品として一見の価値はあるかも。