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水着の女王

1949年、アメリカ、ドロシー・キングスレイ脚本、エドワード・バゼル監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

学生水泳界の女王的存在だったイブ・バレッタ(エスター・ウィリアム)の才能と美貌に目をつけていた水着メーカーのオーナージョー・バゲット(キーナン・ウィン)は、彼女と提携しようと説得を重ね、とうとう共同経営者として迎える事に成功する。

彼女は水着のモデルだけではなくデザインも手掛け、これが大当り、見る見る会社は大きくなって行った。

そんな中、南米からポロのチームがやって来ると言う新聞記事を見かけたジョーはイブに、そこのオーナーに近づいて、試合中に自社の広告をやらせてもらえば、その効果ははかり知れないと提案する。

しかし、今一つ、自ら進んでの営業に気乗りのしなかった姉イブに替わり、ポロクラブの宿舎のあるミドルブルックに出かけて行ったのは、ちょっとおっちょこちょいの妹ベティ(ベティ・ギャレット)だった。

彼女は、たまたま、ポロチームのキャプテン、ホセ・オルーク(リカルド・モンバルバン)の部屋にいたアメリカのマッサージ師ジャック・スプラット(レッド・スケルトン)をオルークと勘違いして、自分のアパートへ招待してしまう。

もてないジャックは、このチャンスを物にしようと、ガウチョ服に身を固め彼女のアパートを訪れ、二人は意気投合、そのままクガートの店で歌い踊る事になる。

一方、その話を聞いたイブは、後日本物のオルークを呼出し、妹とは付き合ってくれるなと忠告するのだが、意味が分からないオルークは、ちゃっかり、ではその代わりあなたと付き合わせてくれと願い出る。

妹のため、嫌々付き合いはじめたイブであったが、それを面白く思わないのが、共同経営者のジョー。

実は彼も又、イブの事が前から好きで、近々彼女にプロポーズしようと考えていたからだった。

クーガーの店で、偶然鉢合わせになったイブとオルーク、ジョーの三人。

ジョーは、オルークの女癖の悪さを指摘し、イブも又、オルークが店にいた複数の女性たちと以前から付き合いがあるらしき様子を見て、一旦は彼と別れる。

その時、オルークの様子を興味深気に見ていた男がもう一人いた。

汚い仕事をしていると噂の、この店の支配人ルーキー・ルゼッティ(テッド・デ・コルシア)だった。

彼は、南米のポロのスターであるオルークさえいなければ、次のポロの試合の賭けに勝てると読み、子分に命じて、オルークを拉致させて来させる。

ところが、とろい子分が連れて来たのはジャックの方だった。

さらに本物のオルークも誘拐される事になり、ベティとイブの気持ちは千々に乱れる…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

スポーツと恋とユーモアで綴られたドタバタ風ミュージカル。

華麗な水泳シーンや水着のファッションショーなどタイトル通りの見所も用意されているが、中心となっているのは、たあいない勘違いコメディ。

特に、その勘違いの中心となるレッド・スケルトンのおとぼけシーンはバカバカしく、後半のポロの試合に出されそうになり、とにかく馬には乗るまいと抵抗し続ける部分はコントのパターンと分かっていてもおかしい。

こういう作品を観ていると、ハリウッドには、歌って踊れて芝居ができるだけではなく、水泳までできる特殊な才能がいる事に驚きを禁じ得ない。

ものすごい大作と言う感じではなく、むしろ、さらりと作られたコンパクトな作品といった印象なのだが、分かりやすいストーリー展開やキャラクター造型に、古き良き時代の大衆向けサービス精神を感じさせる。

気楽に楽しめる娯楽作である。