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喜劇 駅前音頭

1964年、東京映画、長瀬喜伴+新井一脚本、佐伯幸三監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

駅前商店街には、マダム(淡路恵子)の発案になる「BON洋装店」の名を連呼する宣伝放送が流れている。
そんな頭も身体も良い女房に御満悦なのは、亭主の孫作(伴淳三郎)。

そんな派手な宣伝放送に顔をしかめているのは、道を挟んだ向いにある呉服「森田屋」の主人、徳之助(森繁久彌)と女房の圭子(淡島千景)。

そんな森田屋に御機嫌伺いに来ていたのが、PR広告社の坂井次郎(フランキー堺)で、実は彼、ライバル同士である両方の店に出入りしているのだが、そんな素振りは微塵も見せないちゃっかり者。

そんな次郎の会社でアナウンスの仕事をしている由美(大空真弓)は、姉の染子(池内淳子)が商店街に沖縄料理店を開店させたので、得意の歌まで交えた宣伝放送をサービスでしていた。

その小料理「おきなわ」に集まった商店街の店主達、男っぽい町会長(沢村貞子)中心の打合せで、好例の町内盆踊りに、今年は「BON洋装店」発案のアロハとムームーでそろえようというムードになってしまい、いつもの通り、大量の浴衣を仕入れていた徳之助は、目算が外れて御機嫌ななめ。

その代わり、独身だと言う染子に興味津々になるのだった。

その後、次郎の元に、ハワイから久々に帰郷した先輩の三井(三木のり平)が訪ねてくる。

ハワイで幅広く実業家として成功していると言う三井は、盆踊りに出るはずの歌手が病気で休んだ穴埋めに、急に出演を次郎から頼まれた由美の歌声を聞き惚れ、ハワイへ連れて行くと言い出す。

一方、戦死した兄の孫一に国から勲章が出ると知らされた孫作は、自分が代理で受取るために妻と一緒にハワイへ出かける事になる。

それを知ってますます面白くないのが、ライバルの徳之助。

戦争中、真面目な孫一と彼とは戦友だったのだが、顔がそっくりな弟の孫作とは全く性格が合わなかったからである。

しかし、ハワイで歌手として活躍しはじめた由美からの依頼で、大量の浴衣をハワイで売れる事になった彼は、次郎に頼んで、こっそり染子と一緒にハワイに出かけようとするのだったが…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

ハワイロケを決行したシリーズ第9作目。

後半はほとんど、ハワイ観光映画のような雰囲気になっており、コメディとしてはやや低調な印象を受ける。

前半の見所は、盆踊りのシーン。

大空真弓も歌うが、ゲスト出演しているスリーファンキーズたちも歌を披露している。

ハワイで孫作を待ち受けている幼馴染みの老人を演じているのは山茶花究。
その息子として、佐原健二がちらり顔を見せている。

さらに珍しい所では、BON洋装店の店員としていしだ・あゆみ、森田屋の店員として松山英太郎が出ている事。

共に、まだ幼い顔だちの頃で、瑞々しい。

はっきり具体名は出ていないが、冒頭に登場する駅は、このシリーズが撮られていた東京映画撮影所がすぐ近くにあった、小田急線の千歳船橋駅だと思われる。

全体の雰囲気は今とあまり変わっていない感じがするが、今よりもむしろ、この映画の中の方が賑やかに見えるのは、そう演出しているせいなのか、本当に昔の方が活気があったのかは定かではない。