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喜劇 駅前怪談

1964年、東京映画、長瀬喜伴脚本、佐伯幸三監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

武田信玄の17代目の子孫に当り、信玄の隠し湯「白猫の湯」を守っているおくま婆さん(沢村貞子)の孫娘みどり(淡路恵子)が、東京から故郷の勝沼に戻ってくる。

彼女は、東京でストリッパーやトルコ嬢をやっていたのだが、婆さんの隠し湯が観光会社に高く売れるらしいと知り、その大金目当ての帰郷であった。

そんな彼女を駅から実家まで送ってやったのが運送店をやっている坂井次郎(フランキー堺)、しかし彼は以前、おくま婆さんが可愛がっていた猫のシロをトラックで轢いてしまったため、その祟りに怯えていた。

不運な事に、次郎は後日、みどりが東京から連れてきた猫のジロまでも同じ国道で轢いてしまうのだった。

その頃、勝沼の村議会では、助役でもあり、妻(淡島千景)と共に旅館「しまや」を経営している森田徳之助(森繁久彌)が、何とか地元で観光会社を作って、おくま婆さんから隠し湯の権利を譲り受け、地域の活性化を計ろうと計画していた。

すでに、東西観光と言う企業が、5000万の値段でおくま婆さんと交渉中だったからである。

一方、食堂「銀月」を妻(乙羽信子)と共に経営している孫作(伴淳三郎)は、管理を任されていた西山山荘に、勝手に東京のTV作家の三井(三木のり平)を泊めており、女好きの彼の為に馴染みの芸者の染太郎(池内淳子)の姉(久慈あさみ)が経営するバーで毎晩接待を繰り返していた。

徳之助は、区長の娘由美(島かおり)の縁談相手として日頃から、青年会の仲間として仲の良い次郎を推薦していたのだが、当の由美は、次郎に強引にキスをしかけているみどりの姿を目撃してしまったため、二人の仲を誤解して、次郎と付き合うのを拒否するようになる。

そんなある日、山荘の持主の西山(松村達雄)が急にやって来ると言うになり、勝手に泊めていた三井を何とか追い出さねばならなくなった孫作は、次郎や山荘のお手伝いの八重子(山東昭子)と結託し、お化けに化けて憶病者の三井を脅かそうとする。

一方、徳之助は、次郎をみどりと結婚させれば、隠し湯の権利を村にもらえるかも知れないと考え、由美とおかしな関係になった次郎を、半ば強引にみどりと結婚させようとし始めるのだった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

シリーズ8作目。

今回は甲府が舞台の地方色豊かな内容となっている。

恋人との仲でもめる不器用な青年役のフランキーや森繁、伴淳らレギュラー陣は、大体いつものキャラクターのままなのだが、沢村貞子が老け役を演じているのがちょっと珍しい。

ヒロイン役となる島かおりも新鮮である。

そうした中、今回の見所といえばやっぱり、恐がりの三木のり平をからかうお化け騒動のドタバタ部分だろう。

あくまでもおふざけの趣向であり、タイトルで謳っている怪談という程のものではない。

笑いの要素としてはそこ以外には特になく、全体の印象としてはやや弱い感じがする。