1965年、大映東京、長谷川公之脚本、井上昭監督作品。
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警備会社「東京パトロール」のキャップ高倉(宇津井健)は、中央貿易からの依頼により、香港から太白貿易公司のネルソン(ポール・シューマン)を、秘密裏に東京に送り届ける任務を遂行中だった。
大きな取引なので、ネルソンと取り引きしたがっているライバル会社が多かったからである。
飛行機の中で、無類の女好きらしいネルソンが一人の日本人女性客にちょっかいを出しているのに見兼ねた高倉は、彼女は自分の妻だと偽って、ネルソンに席を変わってもらう。
高倉は、初恋の人でフィアンセだった女性を亡くして以来、独身を貫いている男であった。
日本に無事到着したネルソンのカバンを空港前ですり替えようとした男を追ったガードマンたちは、車の影から現れた一人の女によって妨害される。
後から駆け付けた高倉は、その現場で、女が落としたと思われるコンパクトを拾い上げる。
それは、飛行機で隣り合ったあの女性の持ち物であった。
その後、「White Jail(白い檻)」というクラブのママであった彼女に再会した高倉は、宗方奈々江(久保菜穂子)という彼女の過去を調べはじめる。
身寄りのない彼女には、唯独り、兄がいる事が判明。
一方、 ホテルに着いたネルソンの行動は、ガードマンたちの最新式ガンマイクによって、隣のビルから四六時中監視されていた。
しかし、それほど厳重な護衛体制をしいていたにもかかわらず、翌日、中央貿易の接待ゴルフに出かけたネルソンは、高倉たちの護衛車をパンクさせたサイドカーに乗った犯人たちによって連れ去られてしまう。
損害賠償を要求する中央貿易に対し、高倉たちガードマンの総力を上げた犯人探しが始まるのだが、その後、ネルソンのホテルの部屋からゴルフボールが五個盗まれている事が判明するにつけ、犯人たちの本当の狙いが浮かび上がってくるのだった…。
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テレビの人気シリーズだった「ザ・ガードマン」の劇場用第一作。
警備保証会社勤務の主人公たちが、最新兵器を駆使して事件解決に臨む姿には、明らかに当時流行っていた「007」の影響がうかがえる。
東京パトロールの主要メンバーには、高倉の他に、班長吉田(稲葉義男)、清水(藤巻潤)、杉井(倉石功)、小森(中条静夫)がいるが、中でも中条静夫は、この当時から、気難しそうな中年という感じで目立っている。
他に、江波杏子、待田京介、根上淳らが出演している。
本作の見所は、何といっても美術のセンスの良さ。
あたかも、鈴木清順ばりの斬新な構図や洒落たセットが印象的。
007の影響が見受けられるとは言え、いわゆるアクション主体の荒唐無稽映画という感じでもなく、どちらかといえば、じっくり観る大人のドラマといった感じ。
部分部分に、どこか初期007を連想させるようなアクションが用意されている。
藤巻潤のスーツ姿はなかなか決まっているが、彼らが乗る車が、今の感覚からすると、かなりかっこわるく感じられるのが御愛嬌。
