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ザ・ガードマン
 東京忍者部隊

1965年、大映東京、長谷川公之脚本、弓削太郎監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

福島にある金の製錬所から、2億円分の金塊を運ぶ仕事を依頼された警備会社『東京パトロール』では、依頼主の社長(松村達雄)と甥っこの副社長一郎(山下洵一郎)が、スイッチ一つで荷台部分が防弾シャッターで覆われる最新式の輸送車「特1号」を見せられ感心していた。

その頃、2年間のムショ暮しから出て来たばかりの木元(成田三樹夫)が、情婦でハワイアンダンサーの美江(長谷川待子)から、その2億円の強奪計画をしないかと持ちかけられていた。

準備金は、泉田(安部徹)のボスが用意するし、情報は自分が副社長の一郎に近づき、聞き出すという。

泉田の右腕、石黒(戸浦六宏)は、そんな得体の知れない木元を使うボスの考えが理解できず、あからさまに木元に反感をつのらせていた。

かくして、東京パトロールの若手三人、清水(藤巻潤)、並川(長谷川明男)、牧(小笠原良智)が福島に出発。

木元、石黒、美江、それにトラックの運転手と錠破りの名人を加えた5人も現地の旅館に集合した。

地元でもいちゃつく木元、美江の行動を観て面白くない石黒は、女中(明星雅子)を乱暴、その口から、洗練所の電気工を辞めた兄がいる事を聞いた石黒は、身を持ち崩したその兄、坂井(穂積隆信)に近づき、木元には内緒で製錬所の金庫破りを独自に決行する事に。

その計画は、偶然、石黒らと同じ旅館に停まっており、製錬所の異変に気づいて駆け付けた清水たちによって間一髪阻止され、坂井だけが射殺されてしまう結果に。

翌朝、無事に金塊を輸送車に積み込み出発した東京パトロールの車の前に、美江の車が横付けし、さらに、白バイ警官に化けた石黒が接近、輸送車の迂回路への路線変更を命ずるのだが、ガードマンたちは、ただちに、荷台のシャッターを閉じ、逃亡する。

シャッターの内部には、現金と一緒に清水が入っており、その中の空気は3時間しか持たない。

さらに並川たちを驚かせたのは、美江の車に、夕べ泊まった旅館の女中が乗っていた事だった。
実は彼女は、兄が強盗として報道された事もあり地元に居づらくなり、美江を頼って東京に出ようとしていての巻き添えだった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

人気テレビシリーズ「ザ・ガードマン」の劇場用第二弾。

レギュラー的ガードマンたちの活躍をメインに展開した一作目と違い、本作では、犯罪者側の描写に重きを置いたクライムストーリーに近くなっている。

特に、互いに反目しあう成田三樹夫と戸浦六宏の二人の演技合戦が見物。

防弾シャッター装備など、ハード面では優れた輸送車でありながら、実際に、襲撃を受けた緊急時、護衛のガードマンたちがどういう行動を取れば良いかに付いて、あれこれシミュレーションしている感じがないのが、ちょっと観ていて不自然なのだが、あまりそこをがっちり作ってしまうと、犯人側の行動が狭められてしまうという事なのだろう。

ここに登場する穂積隆信は、異様に若い。
まだ、青年という感じだ。

かなり重要な役所だと思われる女中が、あまり後半、生かされていないように感じられるのも惜しい。

最後の最後まで、成田三樹夫の映画という印象が残った。

成田ファンには必見の映画だろう。