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七人のおたく
Cult Seven

1992年、フジテレビ、一色伸幸原作+脚本、山田大樹監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

外国人がたむろしている住まいに乗り込んで来た一人の日本人、やおら、若い女性があやしていた赤ん坊をさらって出ていってしまう。

学校の屋上、テレカのバーコードに細工をしながら盗聴無線を聞いているという風変わりな女子高生水上令子(浅野麻衣子)は、「渋谷区松濤3-2-5」とくり返す謎の電波を聞き、好奇心からその場所へ出かけ、突然現れた迷彩服を着た怪し気な若者、星(南原清隆)からいきなりスカウトされる。

同じように、アイドルおたくで改造車を持っている国城春夫(武田真治)、テレビヒーローと格闘技のおたく近藤(内村光良)、Macおたくの田川(江口洋介)らは、星から金を提示され仲間になるよう依頼されるのだった。

好奇心から、静岡の井加江島という島に出かけることにした田川は、バカンス気分でつい、付き合っている会社の同僚のりさ(山口智子)を誘ってしまうのだが、目的の旅館に付いた彼らを待っていたのは、異様な集団だった。

令子の盗聴技術で、高松家という家の同行を探っていた彼らは、目的も良く分からないまま計画に参加させられることになり、一旦は、高松家から赤ん坊を連れ戻すことになるのだが、島から脱出する前にあっさり、赤ん坊の父親で、赤ん坊をアビリア人の妻ティナの元から奪っていった高松一(中尾彬)とその仲間たちに包囲されてしまう。

取りあえず、りさの機転が元で本土に戻ることが出来た彼らは、星の口から事件の発端を聞かされることになる。

何でも、3年前に見合い斡旋業者の仲介でアベリア人妻を貰った高松一は、特攻船を使って、余所の魚場を荒しに行く密猟で成金になった男だった。

しかし、金を持ってみると、外国人妻が疎ましい存在に思え、いつしかティナは、はま子と日本人名で呼ばれるようになり、疎外されるようになったらしい。

あの島の連中は、皆その仲間なのだと言う。

星は、たまたま、赤ん坊を連れ去られたティナの隣に住んでいただけの人間だったのだが、自分の力を何かに役立ててみたくて、今回の作戦を立てたと言うのだ。

その後、又、元の生活に戻ったおたくたちだったが、そんな彼らの元に、再び、第二次奪還計画の召集がかかる…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「七人のおたく」というにしては、最初、登場するおたくは五人ではないのか…と疑問が起こるかも知れない。

実は、おたくではないが、同僚の田川に付き合わされて作戦に巻き込まれる人物が「半おたく」…ということで、いわば彼女が「七人の侍」での菊千代的存在という解釈なのであろう。

さらにもう一人、意外な所に「強力な隠れおたく」がいる…という所がミソ。

辺鄙な地方に住む孤独なおたくの悲哀が、同類の観客にはちょっぴり泣かせる所。

全体的には、どうって事ない普通のドタバタ風ドラマだが、話の種に観てみるのも一興…くらいの内容。

ウッチャンは、アカレンジャーの姿で颯爽と登場!

ジャッキー・チェンばり(おそらく本人はそのつもりなのでは?)のアクションを披露する。

エロオヤジ中尾彬の魔の手から、肌も露なりさのピンチを救った七色仮面の正体とは?(千葉真一か?)

10年ちょっと前くらいの作品だが、江口洋介がハマっている初期Macの形や、嫁不足に悩む地方に招かれた外国人妻というテーマなどに、時代の隔たりを感じてしまう。

宅八郎の全面協力を得ているという点も、マニアにとってはミソかも知れない。