1989年、アメリカ、エド・ソロモン+クリス・マシスン脚本、スティーブン・ヘレク監督作品。
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2688年、ルーファス(ジョージ・カーリン)が画面に向い、今は平和だが、700年前に危ない事が起きかけているから、今から救いにいくと告げる。
1988年、カリフォルニアのサンディマス。
ビル・プレストン(アレックス・ウィンター)とテッド・ローガン(キアヌ・リ−ブス)は、ロック・グループ「ワイルド・スターリングス」を作るのが夢で、毎日、ガレージで練習に明け暮れるバカ高校生。
おかげで、学校の成績は全教科落第点。
歴史のライアン先生から、二人ともレポートで『A'』を取れなければ留年だといい渡されてしまう。
警察の勤めているテッドの父親は、落第したらテッドをアラスカのキーツ陸軍学校へ転入させると言い出す始末。
そんなこんなで、コンビニの前でふて腐れていた二人の前に、突然、空から電話ボックスが降りて来て、中から出て来た見知らぬ男が、この機械を使ってレポートを完成させろという。
訳が分からぬ二人の前に、もう一台の電話ボックスが降り立ち、今度はその中から自分達自身が出て来て、最初の男ルーファスを信じろと二人に教えるのであった。
半信半疑で、ルーファスの電話ボックスに入り込んだ二人は、時の流れを遡って、1805年のオーストリアの戦場に降り立つ。
そこで彼らが眼にしたものは、本物のナポレオン・ボナパルト(テリ−・カーリン)の姿だった。
現代に戻って来たビルとテッドは、偶然にもタイムマシンの威力に引き込まれて付いて来てしまったナポレオンを発見し、歴史上の有名人を集めて、レポートの発表に使おうと思い付くのだった…。
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若い頃のキアヌ・リ−ブスが主役を演じたティーン向けおバカSF映画。
主役の二人はどちらも脳天気でちゃらんぽらんなキャラクターなのだが、特にキアヌ演じるテッドの方が頭空っぽキャラクターに描かれている。
ビジュアルは初期のCGと光学合成を併用している感じで、いかにもB級SF風の仕上がりになっている。
むしろ、中世のお城とか開拓時代の西部など、それらしいセット(おそらく、別の映画用に作られたものではないか)が巧みに使われており、タイムトラベルらしい雰囲気を出している。
二人の人間がタイムマシンを使って、様々な時代の有名人に会う…という設定は、アーウィン・アレン製作の懐かしテレビドラマ「タイムトンネル」を連想させる。
物語後半は、現代に連れて来た歴史上の有名人たちが、ショッピングモールや遊園地ではめを外す顛末がドタバタ風に描かれていく。
バカバカしいといえばそれまでだが、そのジュブナイルSF風の素朴なアイデアが楽しい。
何故、このおバカ高校生が落第する事が未来にとって大変な事なのかという最大の疑問点は、最後に明らかにされる。
この作品を観ていてやっぱり気になるのは、電話ボックスが時空を超える小道具として使われているところ。
さらに、未来にアフリカ系の中年俳優が謎めいた存在として登場したり、ルーファスがファッショナブルなサングラスをかけていたりするところ。
どうしても「マトリックス」を思い浮かべてしまうのだが、単なる偶然だろうか。
この作品には、「ビルとテッドの地獄旅行」(1991)という続編がある。
