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続・高校三年生

1964年、大映東京、森本吉彦原案、池田一朗脚本、弓削太郎監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

東京の団地に、新しい家族が引っ越して来た。

銚子に勤務していた高津次長(松村達雄)親子であった。

一人娘の明子(姿美千子)は、引っ越しの手伝いに来た部下の社員たちにミエばかり張っている母親(村田知栄子)の浅ましい姿を観て幻滅していた。

そんな明子は、転校先の東高校で、隣の席のちょっと不良じみた山中(工藤堅太郎)にさっそくちょっかいを出されるもまったく相手にせず、その毅然とした態度を気に入った同じ団地に住む同級生花井俊子、通称「トシ」(東京子)と野呂夏子、通称「ナツ」(渚まゆみ)から声をかけられ、すぐに友達付き合いを始める。

さらに、歴史の授業中、つまらない先生の冗談に笑わず、逆に「面白くないからです」とはっきり切り返した明子は、「自分も生徒を笑わせようと考えている先生の気持を察して、サービスのつもりで笑っただけ」と助け舟を出して来た同級生の早川孝、通称「おたか」(倉石功)を気に入り、意気投合する事に。

仲良しになり、一緒に勉強をする4人だったが、各人とも人にいえない家族の悩みを抱えていた。

夏子の悩みは、「ハッスルちゃん」というちょっとエッチな漫画を書いている野呂珍平が父親である事。
若い娘としては、そういう父親の職業が恥ずかしくてたまらないのであった。

俊子の悩みは、一人で自分を育ててくれた母親(根岸明美)がバー勤めであること。
母親が何人もの男と付き合っているという噂も聞いており、そうしたふしだらさがたまらなかったのである。

ある日、鬱憤を爆発させた俊子は、家を飛び出すと、母親のボーイフレンドの一人、村山(成田三樹夫)のスポーツカーに無理矢理乗り込み、葉山へ行って、自分の方から身体を投げ出そうとするのだった。

しかし、意外にも真面目な性格だった村山からたしなめられ、家に帰る事に…。

おとかの悩みは、母亡き後、鉄工所の工員をしながら、男手一つでまだ中学生の弟信次(佐藤正三郎)と自分を育ててくれた父親(内田朝雄)が自分を大学の工学部に進ませ、技師にする夢を持っている事だった。

成績は優秀なのだが、おたかは軽い身体的ハンデを持っており、そのために工学部に入れない事を父親にいいだせずにいたのだった。

代わりに弟の信次が大学に進学してくれれば言う事はなかったのだが、当の信次は、鉄工所勤めの船田(舟木一夫)に心酔しており、進学する事等全く考えず、いたずらや漫画にばかり耽る自堕落な毎日を送っていた…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

元祖御三家の一人、舟木一夫のデビューヒット曲を映画化した「高校三年生」(1963)の続編。

前作同様、この作品でも姿美千子がヒロイン役となり、倉石功との爽やかな付き合いの話を中心として、青春期特有の家族の悩みのエピソードで構成されている。

舟木一夫は本作でも、ちょっといなせな青年として、ゲスト的に数シーンに登場するだけ。

舟木は本作では歌わないが、その代わりにコロンビア・ローズが登場し、団地内の奥様たち相手のコーラス指導と言う形で「長い一本道」という歌を披露している。

前作同様、堺正章も就職組の学生として、ちらり登場している。

世間体ばかりを気にして、娘が貧しい工員の息子と付き合うのを止めさせようと奔走する愚かしい明子の母親と、それに強く反発する明子の戦いが後半の見せ場になるのだが、その狭間に立って、どうする事も出来ないふがいない父親役の松村達雄が印象的。

しかし、何といっても個人的に印象に残ったのは、成田三樹夫のプレイボーイキャラ。

この作品の中で、一番儲け役かも知れない。