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アンディ・ラウ 神鳥聖剣

1992年、香港、イップ・クォン・キム+チャン・キン・チャン脚本、ユン・ケイ+デビッド・ライ監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

チェンヤン(アンディ・ラウ)は、毎夜、雪山で剣の修行中の自分が、美しい女神と出会い恋いこがれる夢に悩まされていた。

彼は、弟ティム(リチャード・ウン)と仲良しの博士(ロサムンド・クァン)と暮していた。

三人は、「聖なる氷」を発見したら1000万ドルの賞金がもらえるという新聞広告を見て、にわかに探検に出かけることにする。

博士が持っていたラマの教典に記されていた道をたどり、潜水服を着込んで水の中を進む内に、処女ヶ峰の麓の「命の果て」という町に住む、ルビーという女性の家のバスルームの中に出現する。

そのルビーと、ひょんな事からビリヤード勝負をすることになったチェンヤンは、博士が発明した何でも物を大きくする「大きくなルーペ」を使ってからくも勝つことはできたが、当のルビーから愛されてしまうことになる。

そんなルビーから逃れ、雪山に入り込んだ三人だったが、チェンヤンがクレバスに墜落、博士とティムが助けを呼びにいっている間に、チェンヤンは、空を飛ぶ羽衣の幻影を見、その羽衣が示した場所に聖なる氷を発見する事になるのだった。

戻って来た博士たちと合流し、聖なる氷を山から運び出す三人の後を追跡するのは、氷が持つ「不老不死の力」を欲しがっていた魔王の一味。

かくして壮絶な争奪戦が繰り広げられるが、又しても博士の発明品「姿を消す薬」で本物の氷を消し、無事、下界へ持ち帰る事に成功。

チェンヤンは、その聖なる氷で忘れられぬ「夢の女」を彫るのだが、又しても、魔王の手下たちに襲われ、ついに命を落としてしまう。

そこに現れたのが氷から出現した夢の女、氷の精である彼女は、死んだチェンヤンに一つしかない「命の吐息」を与えるため深いくちづけをかわすのだったが…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「武侠アクション」「ファンタジー」「ナンセンスコメディ」など、面白いものなら何でも取り込もうといった感じの、いかにも香港映画らしいゴッタ煮風娯楽作品。

前半はナンセンスコメディタッチが濃厚で、後半は、割とシリアスなラブ・ファンタジー風の展開になっている。

製作者の最初からの意図なのか、香港映画特有の感覚なのか知らないが、その場その場の思いつきを継ぎ足していって一本の作品に仕立てあげている感じである。

ナンセンスコメディとして、色々、バカバカしい作り物を多数作っていたり、雪山は本当にロケをしているようで、それなりに予算はかけているように見える。

特に、前半のナンセンスさはそれなりに面白いし、独特の香港コメディタッチは、近年のチャウ・シンチ−の映画を連想させたりする。

主人公たちの説明が何もないのも、戸惑いを覚える一つ。

チェンヤンやティムが超人的な動きができたり、物を自由に動かしたりする超能力を使えるのは何故なのか?

日本の忍者みたいに、武術の修行で身に付けた特殊能力という事なのだろうか?

この作品、理屈で考えはじめると分からない事だらけなのである。(香港映画では、説明不要のお約束みたいなものなのかも知れないが)

途中からの、魔王軍団との戦いは、何やら東映戦隊ものアクションそっくり。

あくまでも「実写版マンガ」「理屈抜きでノリで楽しめば良い作品」ということだろう。