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映画クレヨンしんちゃん
伝説を呼ぶ ブリブリ 3分ポッキリ大進撃

2005年、きむらひでふみ脚本、ムトウユージ脚本+監督作品。

観終わって、大人として一番印象に残った「面白いシーン」というのは、冒頭の「主婦みさえの朝の仕事」部分である。

ここは、大人が感じる「リアルさ」があるからだろう。
だから、そのディフォルメ表現が(大人としては身につまされて)おかしいのである。

逆に、ミライマンが出現して、怪獣や変身ヒーローパターンの展開が始まると、最初の内こそ「マニア」心が騒いで楽しいのだが、笑いとしては次第に「飽きてくる」所がある。

あくまでも「様式(パターン)」による笑いなので、底が浅いというか、あくまでも「一発芸」的な笑いなのではないかと思う。

本作は、そのパターンを全編に渡って使っている。

そのため、後半がやや単調に感じるというか、だれてくる観がないでもない。

現実の世界の危機感表現がかなり少ないため、あまり切実感を感じないというところもあるかも知れないが。

アイデア満載で、ハチャメチャな奇想天外さが売り物だった「映画クレしん」も、ここ数年、ややアイデア不足のように感じる。

巨大ロボットとか怪獣といったパターンが出て来ると、ついそう感じてしまうのだ。

ただし、こうした感想は、あくまでも「大人の目線で観ると」という事であり、本作の対象は毎年世代交代するちびっ子たちである。

そうしたちびっ子たちには、シリーズでくり返されるパターンなど気になるはずもなく、テレビでお馴染みのキャラクターたちがスクリーンで何かするたびにおかしいに違いない。

本作は、シリーズの中では平均的な水準なのではないかと感じる。

特に、怪獣や変身ヒーロー好きな親御さんにも十分に楽しめる内容になっている事は確か。

野原家中心の話なので、ひまわりが活躍するうれしいシーンがある反面、ぼーちゃんたち「春日部防衛隊」の出番が…。