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男嫌い

1964年、東宝、八木柊一郎+西島大+伊奈洸原作、井手俊郎+八木柊一郎+伊奈洸脚本、木下亮監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

独り身だった父親が亡くなって四十九日を迎えた高村家には、親戚の叔母たち一同が揃って来ていたが、肝心のこの家の4人の娘たち、デザイナーをやっている長女綾子(越路吹雪)、テレビのシナリオライター次女歌子(岸田今日子)、お花の先生三女郁子(淡路恵子)、学生の四女悦子(横山道代)は支度に手間取っているのか、なかなか顔を見せない。

叔母たちは、揃いも揃って独身の4人姉妹のことをあれこれ心配して話している。
何とか4人に身を固めさせようと、見合いをさせる話に持ち切りなのであった。

一方、なかなか法要が始まらず、待ちぼうけを食わされた形の和尚(左卜全)は、末っ子で長男の修(坂本九)と雑談を始める。

大学の自動車部でバイクに夢中なせいか、腕をけがしている修は、家で熱帯魚を買っているのだが、アマゾンのピラニアと電気ウナギが戦ったらどっちが勝つかなどと和尚と論議する。どうやら、怖い姉たちを皮肉っているらしい。

後日、長女綾子と四女悦子のための見合いがカルトンホテルでセッティングされるが、肝心の仲人役の叔母(京塚昌子)らの乗った車が渋滞に巻き込まれ到着しない。

4人姉妹そろってホテルに到着し、それらしき相手を遠くに発見するのだが、仲人の紹介がないでは近づくに近付けない。

悦子の御相手、片山(青島幸男)はマザコンなのか母親同伴。
一方、ダークスーツに身を固めたナイスミドル風の男が綾子の御相手、伊沢(森雅之)らしいのだが、知人らしきハワイの二世ポール岡村(神山繁)と偶然出会ったのをきっかけに、自分はどこかに席を外してしまう有り様。姉妹たちは、席に残ったポールの方が気に入ってしまったりする。

一方、四人姉妹の方も、バー「カサノバ」のマダムと連れの神一郎(名古屋章)なるヒゲ面の無骨そうな男と出会ったのをきっかけに、こちらも勝手にお茶をのみに出かけてしまう。

その後、あらためて自宅に連れて来られた片山を、揃ってからかったあげくに帰してしまった四人姉妹は、八丈島からやってきたお手伝い(千石規子)の娘美津子(中尾ミエ)にヒントを得て、急遽、自分達も八丈島へ遊びに出かけることに。

そこで、彼女らは、いつかカルトンホテルで出会っていたナイスガイ、ポール岡村と再開するのであった。

さらに、修の自動車部仲間なる三人の大学生(峰健二=峰岸徹、砂塚秀夫、内田裕也)まで合流するに及んで、四人姉妹たちの悪のりは絶好調を迎えるのであった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

日本テレビの人気番組を映画化したもの。

出演メンバーを見ても分かる通り、ナベプロが絡んだ作品でもある。

日本映画には珍しい、グラフィック感覚に溢れたおしゃれなナンセンス風刺劇になっている。

男勝りの四姉妹たちの悪のり振りが、様式的な画面構成とコント感覚で綴られて行く。

テレビ的といえばテレビ的だが、今観ても、その独特のセンスは新しく感じる。

越路吹雪はエンジ色、岸田今日子は黒、淡路恵子は青、横山道代はオレンジ色の基本色を身にまとい、さらに修は真っ赤なセーターを着ている。

高村家の前には白い車と赤い車が並んでいるし、劇中に登場する本の表紙は赤と黒…など、全編に渡って大胆な色彩設計が施されている。

まだ坊や坊やした風貌の峰岸徹や内田裕也らが、ミュージカル風に踊るシーンなどもあり見物。

二枚目風のキャラを演じている神山繁がダンスを踊るシーンなども、めったに観られるものではない。

ストーリーを楽しむというよりも、その独特のタッチを楽しむ種類の作品だろう。