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ミッドウェイ

1976年、アメリカ、ドナルド・S・サンフォード脚本、ジャック・スマイト監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

1942年4月18日、空母ホーネットから発進したドゥリットル中佐率いる航空部隊は、東京を空襲する。

その成功をアメリカで聞いたマット・ガース大佐(チャ−ルトン・ヘストン)は、喜ぶよりも、山本五十六大将(三船敏郎)の反撃を警戒していた。

通信担当のジョーは、傍受した日本軍の通信に「AF」なる記号がしばしば登場するのに気付いており、それはミッドウェイを指すのではないかと推理していたが、確証がつかめないでいた。

太平洋艦隊指令本部で、ガ−ス大佐は思わぬ人物と出会う。
VF8部隊に配属された息子のトム(エドワード・アルバート)であった。

トムは、日本人の娘、佐倉ハル子という女性と結婚したいのだと言い出す。
ガ−スに人種差別意識はなかったが、パール・ハーバー奇襲の半年後という今の時期では、あまりに時期が悪すぎると感じて、トムを諭すのだった。

ミニッツ大将(ヘンリ−・フォンダ)は、ジョ−の推理と提案を聞き入れ、「AF」という言葉の意味を知るために、日本軍に対し罠を仕掛けることを承知し、結果、やはり、その記号がミッドウェイを指すのだという事実を知るのだった。

そうとは知らない日本側は、着々とミッドウェイ攻撃の準備を進めていた。

収容所に入れられていたハル子と両親に直接会い、彼らが悪人ではないと確信したガ−スは、何とか、息子の為に力になりたいと独自に尽力していたが、トムの方は、その父親の行動を結婚を妨害するためのものだと誤解し、何となく親子の関係は気まずくなっていく。

戦力的には不利な中、ミニッツ大将は、マドックス大佐(ジェームズ・コバーン)の危惧する意見にもかかわらず、ミッドウエイで日本の空母を待ち受けるM1作戦を決行する決意をする。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

太平洋戦争の転換点となったミッドウェイでの海戦を、既存作品の流用や記録フイルムなどを交えて大掛かりに描いた戦争大作。

アメリカ建国200周年記念映画として作られたということもあるのだろうが、 最後に、この戦いでの勝利は、日頃の我がアメリカ軍の訓練の賜物である…などと、プロパガンダ風自画自賛的な文章が出て来るが、ドラマ自体は、特に勧善懲悪的に誇張されている訳でもない。

今この作品を観て、一番気になるのは、やっぱり、日本人役の役者が三船も含め、全員英語でしゃべっているところである。

三船以外では、南雲中将役のジェームズ・繁田や日系人役者らが、なかなかの好演を見せている。

見せ場となる戦闘シーンには、日米合作作品「トラ・トラ・トラ!」(1970)や東宝の「太平洋の嵐」(1960)のフイルムが流用されているのも有名。

そのためもあり、どうしても先行した「トラ・トラ・トラ!」と比較され、公開当時、不評だった記憶がある。

日米双方の虚々実々の作戦の推移は、ほぼ史実に忠実なのではないかと思われるが、フィクションとして付け加えられている、前半のチャ−ルトン・ヘストンを中心としたドラマ部分が凡庸で単調なせいだろう。

クライマックスの戦闘シーンにしても、どこかで観たようなフイルムの再利用では面白いはずもなく、全体的に「二番煎じ」風の印象が漂う。

逆に、今、そうした流用元の作品を知らないで本作だけを観る分には、それなりに楽しめるかも知れない。

他に、ロバート・ミッチャムやグレン・フォードなども出演している。