1997年、東映動画、水木しげる原作、島田満脚本、佐藤順一監督作品。
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それを使った人間は魂を吸い取られるという「妖怪バット」の伝説がった。
少年野球チーム「バトラーズ」は、あまりの弱さに、相手チームから「ブータレーズ」とバカにされていた。
そのバトラーズの中でも、特に全く打てない三太郎(声-日高のり子)は、堪忍袋の緒が切れたチームメイトから辞めさせられることになる。
すっかり気落ちした三太郎は、帰宅途中、町内で何やら怪し気な行動の男を見つける。
その男-ねずみ男(千葉繁)は「4丁目を探している」という。
しかし、その町内は3丁目までで4丁目はないと教えた三太郎だったが、鼠男に誘われるまま「4-4」と書かれた電柱を見つけ、同じところを4回めぐる内に、不思議な空間を見つけ、そこにあった墓の中から「妖怪バット」を見つける。
数日後、その日の試合に負ければチームを解散するというバトラーズの前に、監督をやってやるというねずみ男と妖怪バットを手にした三太郎の姿があった。
面白いようにホームランを量産し試合に圧勝したバトラーズは、妖怪バットを使いそれから前線全勝の快進撃。
テレビにも登場し、有頂天になった彼らの前に、鬼太郎(松岡洋子)が現れる。
妖怪バットは人間が使うものではない。
そのまま使いつづけていれば魂を吸い取られてしまうので返して欲しいという鬼太郎。
しかし、その言葉を信じないバトラーズの面々は、鬼太郎に誘われるまま、深夜の妖怪たちとの野球試合に挑むことになるのだが…。
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憂歌団がお馴染みの主題歌を歌う、4度目のテレビリメイクアニメをベースにした劇場版。
実はこのエピソード、白黒作品だった1968年の最初のアニメシリーズの第一回放映作品と同じである。
さすがに、カラーになり、技術的にも昔とは格段のレベルになった時期の作品だけに、安心してみられる内容になっている。
興味深いのは、バトラーズの前に、はじめて鬼太郎が登場するシーン、目玉のオヤジ(声-田の中勇)が鬼太郎の髪に隠れた左目の中から出現して少年たちをおびえさせる。
実はこの表現、ある時期からテレビでは「不適切」ということで描けなくなったようで、映像で観ることができるのは久々のような気がする。
手がないはずの「からかさお化け」がバッターボックスに立って「空振り」をしたり(一瞬、手が写る)、水木しげるという名の少女アイドルが登場したり、マニアックな笑いが随所に用意されている。
一見、妖怪バットに頼った三太郎が、試合途中に改心し、最後は実力で、ピッチャー鬼太郎の投げる球を打つのでは…と期待させるのだが…。
表面的な便利さに頼るのではなく、コツコツと努力して自分の実力を磨く大切さを子供達に教えるメッセージ性も分かりやすい。
短いながらも、完成度の高いアニメ作品である。
