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野良猫ロック ワイルドジャンボ

1970年、ホリ企画+日活、船地慧原作、永原秀一脚本、藤田敏八脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

いつもつるんで暇を弄び、ジープを乗り回しているペリカンクラブの5人の若者。

ガニ新(藤竜也)、C子(梶芽衣子)、デボ(前野霜一郎)、ジロー(夏夕介)そしてタキ(地井武男)。

最近デボは、目立たぬように、東都高校の校庭の片隅を独り黙々と掘るという不思議な行為に没頭していた。

一方、最近仲間とは別行動しがちの滝が、乗馬をする謎の美女にぞっこんだという噂を聞いた他のメンバーたち、気を利かせたつもりで、その女が乗る車をパンクさせ、自分達のアジトに連れて来るが、事情を知らずにやってきたタキは、その行為に逆上する。

ところが、その後、意外にも、その女の方からタキに接触がある。

彼女アサ子(范文雀)は、正教学会の大物、藤森信介の2号なのだという。

その頃、クラブのアジトは、日頃から対立関係にあった学生チンピラグループ西部会に襲撃され壊されてしまうが、そこに、多量の銃器をリヤカーに積んだデボが帰ってくる。

戦時中、今の高校の校庭に埋めたという噂を年寄りたちがしていたのを銭湯で聞いていたので、掘ってみたら本当に出てきたという。

暇つぶしにはもってこいと、その銃器を使って銃撃遊びをしていたガニ新、デボたちの元に、背広姿に正装したタキがやってくる。
自分が大きなヤマを計画したので、それに参加しないかと誘う。

アサ子と合流した彼らは、詳しい事情も判らないまま、「正教学会青年部」ということで、とある海岸に合宿しはじめるが、ここでもいつものオチャラケ気分が抜けないメンバーたちに、タキは真相を話しはじめる。

アサ子からの情報を元に、正教学会の上納金を輸送する現金輸送車を襲撃するというのだ。
しかし、その計画の実行前に、ガニ新が西部会のメンバーから襲われ、腹部を刺されるという事態がぼっ発する…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

ホリプロ製作、和田アキ子主演の「女番長 野良猫ロック」(1970)を継ぐ形で、日活が製作したシリーズ第二弾。

タイトル以外は、特に一作目とは無関係の内容らしいが、冒頭女番長風の和田アキ子もチラリ登場するし、「どしゃぶりの雨の中で」など歌も流れる。(タキ役のチイチイが、出会ったアッコに軽く会釈しているのが笑わせる)

さらに、当時、デビュー直後のにしきのあきらと野村真樹(現-将希)がちらりと登場するのも御愛嬌。二人とも、ホリプロだったようだ。

海辺で映画のロケをしている俳優二人という役所で、一応、にしきのあきらが「夕べ、妹が死んだ」といいながら、七三分けヘアの野村真樹を殴っている演技。(どうも、にしきのあきらは最初から「スター」だったということか?)

主役級の地井武男は、頭のクセっ毛がワイルドな日本人離れした風貌、藤竜也は口ひげにポンチョ姿という奇妙なスタイル、劇中「マンダム」の広告板と対比させて写されたりしている。
夏夕介など、まだ坊や坊やした感じ。

グループ中、紅一点の梶芽衣子は、白いビキニ姿を披露しており、謎の美女を演ずる范文雀も又、若々しい魅力を発揮している。

低予算でラストも想像通りの展開ながら、屈折した青春もの+犯罪サスペンスという内容は、いかにも70年代らしく、今観ると興味尽きないものがある。

内田良平や白木まりが、意外な役所でゲスト出演しているのも見所。