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シュート!

1994年、ジャニーズ事務所+松竹、大島司原作、橋本以蔵脚本、大森一樹監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

静岡県の新設校、市立掛川高校サッカー部の1年坊主、田仲俊彦(中居正広)は、ある事件をきっかけにサッカーに絶望し、東京に転校しようと、新幹線のホームから実家の母親(野際陽子)に電話をしていた。

社宅住まいの母親は、自分から掛川高校に行くと言ったこちらに来た息子のトシこと俊彦の心変わりに呆れていたが、もう、トシにとって、この地にいる意味はないように思えたのだ。

しかし、新幹線が通り過ぎた反対ホームに、久保嘉晴(木村拓哉)の幻影を見る。

久保がトシに語りかけた言葉がよみがえる。「トシ、サッカー好きか?」

トシは目を疑ったが、もう一度、新幹線が通り抜けた向こう側には、サッカーボールを蹴る小さな子供の姿があるだけだった。

タイトル

サッカー部の新入生として先輩たちの洗い物をさせられていたトシの元に、つっぱり少女が突然押し掛けてきて、自分が洗濯してやると急に話しかけて来る。

洗面所の横でリフティングを始めたトシに、その少女は、「サッカー、面白い?パツキンにすれば、似合うと思うよ」と一方的に話しかけて来る。

翌日、部室に向かったトシは、部員たちがざわついている事に気づき、訳を尋ねると、あの少女が部室の一部を占拠しており、強引にマネージャーにさせろと要求し、結局、神谷篤司 (草なぎ剛)先輩が許したのだと云う。

どういうつもりだと詰め寄るトシに、彼女は遠藤一美(水野美紀)、今日からマネージャー、よろしく!と、得意げに挨拶して来る。

その日、帰宅したトシは、一美が勝手に遊びに来ている事を知り驚く。

一美は、トシの部屋に飾ってあった写真立ての中に写っている掛西中サッカー部の仲間白石健二を、悪いグループのダチとして知っていると云う。

戸惑うトシに、一美はサッカーを教えてくれと言い出し、半ば強引にビデオでサッカーの説明をトシからしてもらう。

そこにお手伝いさんが菓子を持って来て話に加わろうとし出したので、いい加減頭に来ていたトシは、「女に分かるか!サッカーの…」と怒鳴ってしまう。

すると、一美は「エクスタシー!」と混ぜっ返す。

翌日、田仲の名前を騙った先輩レギュラーに対する挑戦状が部室に貼られ、自分たち1年が勝ったら、自分をインターハイのレギュラーにする事、負けたら自分は退部すると書かれてあった。

3年生の神谷らは、その挑戦を受けて立つと言い出す。

その日、途方に暮れながら帰宅するトシの横に、ピンク色のスクーターに乗った一美が近寄って来て、石山たちを誘えば?と助言する。

しかし、トシは、石山と平松は退部したんだと教える。

それでも、一美に押される形で、塾に行っていた平松和広(香取慎吾)に会いに出かけたトシだったが、医者の息子の平松は、久保さんに憧れて進学率が低い新設校などに入った事を今では後悔している。恨むなら、久保さんを恨めと言うだけだった。

久保さんとは誰の事だと一美から聞かれたトシは、うちのキャプテンで、今は病気で休んでいるが、ニックネームは「ベイブ オブ サッカー」だと教える。

トシも、平松も白石も、久保に憧れて掛高に入ったのだった。

その夜、一美は、暴走族とつるんでいた白石健二(森且行)に会いに行き、サッカー部に戻るよう説得するが、自分の喧嘩が元で、掛西中サッカー部のベスト4がパーになったのだと教え、お前がやらせてくれたら戻っても良いなどと、一美に露骨な嫌がらせを言う始末。

いよいよ、2年生と1年生の試合が始まる。

それを見つめる一美と、顧問の磯貝先生(古尾谷雅人)。

トシがゴールを決め、先制点を奪うが、すぐに2年生チームが見事なロングシュートを決め、同点にされてしまう。

磯貝先生は、このままでは、田仲の退部届けを受け取らなければ行けないと寂しそうに呟く。

それを聞いた一美は、スクーターに乗り、平松のいる塾へ向かうが、平松はいなかった。

その後、今度は白石の実家の白石モーターズに向かうが、こちらも不在だった。

2年はその後、3点を加えて一方的な試合になっていた。

そんな1年生チームに、突如、見られぬ二人が加わる。

白石と平松の二人だった!

白石はゴールキーパーになっていた。

2年生たちは、突然の乱入者に抗議するが、神谷は、あっさり許可してやる。

グラウンドに戻って来た一美は、それを見て驚く。

白石は、2年生から露骨な蹴りを入れられるが、必死に絶え、立ち上がる。

1年チームはその後2点を入れるが、もう時間が残っていなかった。

トシ、平松、白石の三人は、あれしかないと相談し合い、ロングパスを繋いで、トシがゴールを決めようとするが、それを神谷が阻止する。

しかし、試合後、神谷は、インターハイのメンバーには、1年生からも決めると約束し、トシの退部の事には誰も触れなかった。

ある日、グラウンドに向かったトシは、大勢の女子高生が観に来ている事に気づく。

グラウンドに、病欠していたキャプテン久保嘉晴(木村拓哉)が戻っていたのだ。

久保は、新入りの平松や白石にも、適切なアドバイスを与えてくれた。

放課後、サッカー部員たちは、馴染みのビリヤード場兼喫茶店に集まり、そこで神谷は作戦を仲間たちに伝えていた。

磯貝先生もやって来て、それとなく、こんな所に来ちゃ行かんぞと生徒たちに注意するが、本気で怒っている訳ではないようだった。

そんな中、久保は、トシのふくらはぎに注目していた。

翌日、学校の玄関口の所に立っていたトシの太ももを触って来た久保は、左で向こうの日本の木の間を目がけてボールを蹴ってみろと云う。

言われた通り左足で蹴ってみると、見事にボールは、木の間を貫いた。

今まで左がダメだと思い込んでいたトシは驚くが、それは、軸足が開いていた為で、今は、柱が邪魔をして開いていなかったので、力が出せたのだと久保は説明する。

その欠点を克服出来れば、うちのチームのエースストライカーはお前だと励ました久保は、「トシ、サッカー好きか?」と優しく問いかけて来る。

やがて、インターハイ向けのメンバーが発表され、ゴールキーパーは白石、フォワードは平松、そして、センターフォワードはトシが選出される。

久保は部員たちを前に、チームプレイに一生懸命になるな。サッカーと一つになるんだ。そうすれば、自然とチームは一つになる。それが掛川のサッカーだ。完全燃焼しようと言葉を放つ。

その後、海辺での合宿が始まる。

夕方、バーベキューの食事が始まった頃、バイクに乗った一人の女性が合宿の側にやって来る。

その女性を久保は知っているようだった。

女性の名は北原美奈子(小高恵美)、久保の彼女だった。

美奈子は、久保と出会うと、又遠い所に行っている。一生懸命は知ってやっと近づいたと思たら、その時はもう遠くにいる…と寂し気に語りかける。

その後、彼女は、立ち小便としていたトシの元に近寄り、久保君から聞いているけど、二人で最高のチームにしてと声を掛けて立ち去って行く。

その後、久保はトシと二人で海辺に腰を降ろし、夜光虫なのか、不思議な光を放つ海を見ながら、地球って、何万年も昔から宇宙に浮かんでいて、色んな事見て来たんだろうな。そしてこれからも、色んな事見て行くのだろうな。観たいよな、永遠に生きて…、何もかも見てえな…と呟く。

後日、トシ、白石、平松の三人は、チケットも持っていないのに、東京の国立競技場で行われていたベルディの試合を観にでかける。

下水道を伝って、選手の控え室に入り込んだ彼らは、一人戻って来たラモス瑠偉と出会う。

部屋の隅に潜んでいた彼らに気づいたラモスは、彼らがサッカー部員だと知ると、俺の名前忘れないでくれ、そして、私たちにサッカーを与えてくれた神様に感謝しようと語る。

その時、武田修宏と藤吉信次がラモスを迎えに来て、三人は部屋を出て行く。

すっかり感激したトシたちだったが、その後、彼らは、夜の東京の町に繰り出して行く。

その途中、平松はトシに、一美の事どう思う?と聞いて来る。

彼女の父親と云うのは市会議員で、自分の不良の娘を入れる為に、学校を作ったと噂されている。

突っ張って生きている彼女を観ていると、愛おしくなって来ると平松は言うのだ。

しかし、トシは無関心そうに、その夜は、朝までナンパに明け暮れて、帰郷する事になる。

帰りの電車の中、眠り込んでいた平松は「一美ちゃん…」と、寝言を言っていた。

一美は、その後、海辺で寄り添うトシと美奈子の様子を遠くから眺めていた。

いよいよ、インターハイ静岡県大会が始まる。

掛川は順調に勝ち進み、準決勝は、掛川北高校と当る事になる。

掛川北の3年生佐伯は、神谷の中学時代のサッカー部仲間だったそうで、個人プレーに走りがちな掛高の事を馬鹿にして来る。

神谷は、自分はその後、実業団クラブに入ったのだが、その時、ドイツから帰って来て同じようにチーム内で浮いていた久保と出会ったのだと、トシたちに教える。

その時、久保は神谷に、俺と一緒にまっさらな高校に入ってチームを作らないかと誘いかけて来たのだと言う。

その時も、久保は、「神谷、サッカー好きか?」と聞いて来たらしい。

準決勝が始まるが、佐伯が放つナックルシュートは動きが読めず、ゴールキーパーの白石は1点を先制されてしまう。

自信をなくした白石に、久保は、俺とトシが守るからと力づける。

その言葉通り、その後の佐伯のナックルシュートは、白石が取りこぼしても、その背後に控えた久保がキックで蹴り返して、何とかカバーをする。

トシも、久保から指示された通り、左足でシュートを決め、2対1にまで迫る。

しかし、久保がゴール前で貼り付いている限り、掛高の勝利は危うかった。

久保は、ゴール前でキープしたボールを俺に任せてくれと言い、一人で敵ゴールまで運び出す。

まさに神業だった。

久保は、一人でゴールを決めてみせた。

そのプレーを一部始終観ていたトシは釘付けになる。

敵ゴール前で振り返った久保は「トシ、サッカー好きか?」と聞いているようだった。

しかし、次の瞬間、久保の身体はその場に倒れ込む。

驚いて駆け寄ったトシに、担架で運ばれる久保は、「トシ、お前の左にかかっている。自信を持て」と言い残す。

トシは、夢中で、敵を攻め、その結果、敵にフリーキックを与えてしまう。

神谷は、お前たちのフォーメーションをやってみろとトシたちに命ずる。

トシや平松たちは、わざと間を空けたディフェンスを作ってみせる。

それを見ていた一美は慌てるが、磯貝先生は、ゴールキーパーの白石に、敵が蹴るボールを見やすくしてやったのだと教える。

フリーキックは、白石が見事に止めてみせた。

その直後、今度は、トシが、左足を使った回転キックでゴールを奪い、勝利をおさめる。

負けた佐伯は、良いチームだ、頑張れよと神谷に声を掛けて来る。

控え室に戻って来たトシは、待っていた磯貝先生に勝利を報告し、久保さんは?と聞くと「死んだ」と信じられない答えが返って来る。

一瞬、冗談だと思ったトシだったが、医務室の方に目をやると、美奈子が泣き崩れていた。

医務室の駆け込むと、ベッドの上に、動かなくなった久保が横たわっていた。

本当に、久保は死亡していた。

雨の中での決勝戦、藤田東との試合は掛高の大敗で終わった。

学校に戻ったトシは、又、玄関の所で左足で蹴る練習を始めようとするが、もう気が乗らなかった。

その時、校内で、久保は先天性の弁膜症の手術を受けていたのだと、磯貝先生が他の教師から報告を受けているのが聞こえて来た。

磯貝先生は、久保はサッカーに殺されてしまったと呟くが、そこに近づいて来たトシは、そうじゃなくて、サッカーを生き抜いたんですと反論する。

それに、何の意味があるんだと問い返す磯貝先生。

トシは、あります。何かあるはずですと、答えるしかなかった。

グラウンドに行ってみると、連取中のチームの中、一人だけ別メニューを黙々とこなしている新人がいた。

ブラジルから帰って来たと云う馬掘圭吾(稲垣吾郎)だった。

彼は、ボールを使わない練習メニューを馬鹿にしていたので、部室で白石と衝突してしまう。

馬掘は、いつまでも死んだ久保を気にしているトシたちの考え方に呆れていた。

平松はビリヤード場で、また、医者になりたい夢を蒸し返し始める。

そんな所にやって来た一美は、全国高校サッカー選手権で再度ぶつかる事になる藤田東に潜入して来たと、勝手にビデオを見せ始めるが、トシは、お前にサッカーの何が分かるんだ!と切れる。

それに対し、一美の方も、あんたなんかサッカー馬鹿なんだからと言い返したので、トシは完全に頭に来て店を出て行ってしまう。

その後、一美がマネージャーを辞めたと、トシは平松から教えられる。

ある日、部室にいたトシは、神谷から呼び出され、磯貝先生から、久保が背負っていた背番号「10」のユニフォームを渡される。

受け取れませんと拒否したトシだったが、それがあいつの意思だったんだと云われると、黙って受け取るしかなかった。

海辺でトシは、また美奈子と会っていた。

美奈子は海を見ながら、久保君、ここから何を見ていたんだろう?何か見えてたんだ。でも、私には見えなかった。私、久保君の事、どれだけ知っていたんだろう?どれだけ好きだったんだろう?何も分からなくなってしまったと呟く。

県大会が始まる。

背番号「10」を背負ったトシは、久保をまねて、一人でボールを操ろうとしていた。

しかし、その暴走振りを止めようとした真堀が、足を負傷して退場してしまう。

神谷は、そんなトシを諌めるのだった。

ある日の帰り道、鉄橋を渡っていたトシは、一美の事で久松や白石と口喧嘩を始めるが、列車が近づいて来た事に気づき、逃げようとするが、間に合わないと気づくと川に飛び込む。

自宅に帰り着いたトシは、そこに美奈子が待っていた事に気づく。

シャワーを浴びて部屋に戻ったトシは、そこで待っていた美奈子が、自分もシャワーを浴びて良い?と聞いて来たので固まってしまう。

そんなトシに、美奈子は、お願い!一人にしないで、耐えきれないのと云いながら抱きついて来る。

トシもついそんな美奈子を受け止めようとするが、その時、窓の外から、自分を罵倒している一美の姿を見てしまう。

一美は、ずっとトシの事を監視していたようだった。

トシは、駅で過去を回想していた自分に気づく。

そこに磯貝先生がやって来る。

トシは、戻りませんよ、何を言われようとと先手を打つ。

しかし、磯貝先生は、止めたりしないさ、もう少しで藤田東とのキックオフが始まるので、今更間に合わないし…と呟くだけ。

さらに磯貝先生は、サッカーって何なのだろう?久保を殺し、家庭を壊し…と、独り言のように語り始める。

磯貝先生の息子がサッカー留学のためブラジルに行きたいと言い出し、彼の妻もそれを望んだので、まともに勉強して、サッカーやれば良いのではないかと言った所、妻が別れると云い出したのだと言う。

サッカーって何なのだ?君なら知っているはずだ。何か意味があるっていていたではないかと磯貝先生は問いかけて来る。

トシは、やって来た電車に乗ろうとはせず、いきなり、金を貸してくれ、グラウンドまで行く車代出してくれと、磯貝先生に頭を下げる。

磯貝先生は金を渡してやり、トシは試合場に戻る。

一人残った磯貝先生は、どいつもこいつも…と呆れていた。

その頃、一美はビリヤード場兼喫茶店で、サッカーゲームを一人やっていた。

マスターは、試合に行かないのか?と尋ねるが、一美は返事もしない。

そこに、美奈子がやって来て、そのゲームに勝手に参加しながら、トシ君のこと好き?と聞いて来る。

私、男に生まれ変わって、久保君とサッカーをやりたかった。でもそうじゃなかったみたい。トシ君とあなたの事を見ていて分かってきたの。私は久保君の事を好きだと思っていただけなんじゃないかと。トシ君の事好き?と、もう一度美奈子は問いかけて来る。

本当に好きなら、必ず相手は微笑んで来る。久保君は私に微笑んでくれなかった。今なら間に合うよ…と。

それを聞いた一美は店を飛び出して行く。

その後、アイスコーヒーを運んで来たマスターは、美奈子に渡しながら「ナイスアシスト!」と褒める。

試合中のグラウンドに近づいて来たトシに気づいた白石と平松は駆け寄って来る。

トシは二人に、久保さん、死んじゃったから…、生きた証拠に何か残さなきゃ…、久保さんが果たせなかった夢だから…、俺の力で国立競技場へ…と、トシは呟く。

そんなトシに、神谷は早く着替えて来いと、試合を続けながら怒鳴っていた。

一美もスクーターで会場に駆けつけていた。

0対2で、掛高はリードを許していた。

休憩に入ったトシの前に現れた一美は、出来もしないのに、久保さんのまねをして…と、トシのプレーを馬鹿にする。

しかし、トシは、口を出すなと言い、微笑んだだけだった。

一美は、その顔が見たかったんだと喜ぶ。

本当に相手の事、好きだったら、相手は微笑んでくれる。久保さんが言ってた。サッカー好きかって?好きだったら、サッカーが微笑んでくれるよと一美が続けると、トシは感謝して又グラウンドに戻って行く。

後半戦が始まり、トシが平松に渡したパスが決まって、1点を入れる。

磯貝先生もやって来て、一美と共に試合を観戦し始めるが、もう時間がない事に気づいていた。

神谷が、コーナーキックのチャンスを得たトシに、これが最後だと言葉をかける。

トシのキックは見事に決まり、同点でタイムアップとなり、PK戦にもつれ込む。

馬堀もキックを決め、PK戦は3対3となる。

藤田東最後のシュートを、白石が見事に頭で受け止めた。

掛高最後のキックはトシだった。

その時、トシは、一美に向かって親指を立ててみせる。

それを見た平松は「青春だな〜」ととぼけてみせる。

一美は、「先生、この試合いただきだよ。ボールがトシ見て笑っているもん」と語りかける。

その言葉通り、トシが放った最後のシュートは、見事に敵ゴールに吸い込まれて行った。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

SMAP全員が出ている、おそらく、最初で最後の映画。

森君がまだメンバーの一員だった頃の作品で、そういった意味でも貴重な映画である。

大体、他のメンバーは、ヘアスタイル等を除けば、今と同じようなイメージなのだが、一人、草なぎ剛君だけは、この頃は、年長と言うことで、「お人好しキャラ」的なイメージはない。結構、キリッとしている。

少年マガジンに掲載されていた大島司の原作コミックを映画化した作品で、サッカーをやる高校生を主人公にした青春ものである。

いわゆるスポ根ものというよりは、先輩のキャプテンに憧れる一人の少年の心理にスポットを当てた成長物語といった内容。

女性の原作者だけに、当初、「やおい系」に話が進むのか…と思わせるが、後半は、普通の男女友情ものになっていく。

裏主人公とも言うべき存在のパワフルな一美を演じる水野美紀は、本作がデビュー作なのかも知れない。

対して、キャプテン久保の恋人北原美奈子を演じているのは、VSゴジラシリーズでお馴染みだった小高恵美。

ゴジラシリーズとは、又ひと味違った役柄を好演しているだけに、その後、あまり見かけなくなったのが寂しい。

個人的に気になったのは、他のメンバーはともかく、あの稲垣吾郎ちゃんは、サッカーやるのか?…という事。

事実、結構、後半になるまで、吾郎ちゃん出てこないのである。

何と、吾郎ちゃん、ブラジル帰りの天才サッカー少年、馬掘として登場してくるのだが、はたして、彼は劇中でサッカーを披露するのか?

白組などが参加しており、カット数こそ少ないが、優れたエフェクト(CG?)が使われているのにも注目したい。

巷間噂されているほど、ひどい作品とは思わない。

低予算青春ドラマとしては、それなりに見れる作品である。

Kinkiも、ちらり出演している。