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ムツゴロウの結婚記

1974年、渡辺プロ+松竹大船、畑正憲原作、満友敬司+今関健一脚本、広瀬襄脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

大分の医者の息子であった大畑正、通称ムツゴロウ(井上順)は、稼業を継がせようと医学部に行かせているつもりの親には黙って、実は、好きな動物の勉強をするために、東京の大学の理学部動物学科に通っていた。

そんな彼の下宿には、しょっちゅう、国に待つ彼女、河村明子(松坂慶子)から手紙が届いていた。

ムツゴロウは、そのの手紙を、杉田(松山省二)やヒゲ(岸部シロー)、根岸(蟹江敬三)ら、下宿仲間たちから隠れて読むために、しょっちゅうトイレに駆け込んでいた。

そんなこととは知らない杉田は、彼に見合いをさせようと、勝手に日取りを組んで、ムツゴロウを金持ちの娘美智子(夏純子)と会わせるのだった。

しかし、ムツゴロウは、明子に会いたくてたまらなくなり、ヒッチハイクで国に帰る決意を固める。

途中、養蜂業を営む男(夏八木勲)のトラックに乗せてもらったムツゴロウは、蜂に顔をさされながらも、何とか故郷の大分に到着して明子と再会する。

中学時代から付き合いはじめ、高校の時にはすでに深い仲になっていた二人は、久々の逢瀬を大自然の中で満喫しようと、世話になった養蜂家のテントを訪ねるのだが、夜中、ムードが盛り上がってきたところで、意外な訪問者に邪魔されることになる。

ゲバ学生の根岸であった。聞けば、逃亡の旅だと言う。

やがて、彼ら学生たちにも就職の時期が訪れ、週末論にかぶれていたヒゲはあっさり稼業の建築会社に就職、杉田は中学の先生、根岸も銀行に勤めることになった中、ムツゴロウだけは、研究所に残る決意をする。

一方、ムツゴロウの父親から、身分が違うと付き合うのを断わられた明子は、ムツゴロウの現状をばらしてしまった後倒れてしまう。結核であった。

そんなムツゴロウの元へ、明子が上京してきて、二人にの貧しい同棲生活が始まるのだが…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

渡辺プロとの提携作品だけに、ゲストも豪華で、入院した明子が世話になる医者、岡ちん先生に谷啓、ムツゴロウが虫歯の犬を持ち込む獣医にハナ肇、他にも、なべおさみ、ホーン・ユキ、黒柳徹子、南利明、さらに、ムツゴロウの研究所仲間として2号ライダーこと佐々木剛など意外な顔ぶれも見れる。

さらに松竹らしく、寅さんのおばちゃんこと、三崎千恵子と、タコ社長こと太宰久雄なども登場している。

劇中でも、同棲の生活費を稼ぐため、香具師まがいの仕事を始めたムツゴロウを「トラさんみたいな仕事…」などといっている。

全体的に、実話をベースにしているにしては明るく作られており、軽い娯楽作品としてはそれなりに楽しめるし、後味も悪くない。
主役の井上順の本質的なキャラクターの明るさ(ハナ肇との駄洒落合戦には脱力するが)が成功しているのだろうが、相手役となる松坂慶子も、ムツゴロウに胸をしょっちゅう触らせる等、あっけらかんとした女性を良く演じている。

時代を象徴する学生運動に参加している根岸役の蟹江敬三はロンゲの時代。

冒頭のタイトルバックには、本物のムツゴロウ氏も登場している。
まだ、実物の方も若々しいのだ。