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高校生無頼控 感じるゥ〜ムラマサ

1973年、東宝+国際放映、小池一雄+芳谷圭児脚本、江崎実生監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

指名手配されている兄の行方を追って日本中を一人旅している、鹿児島海南高校出身、村木正人、通称ムラマサ(大門正明)は熱海の海岸で、砂浜に大量に捨てられているレコードを発見する。

見ると、一人の女性がレコードを捨て去った後、海に入ろうとしているではないか。

入水自殺と察したムラマサは、とっさに彼女を助け出し、そのまま、彼女と深い関係に。

聞けば彼女、月待かがりという歌手で、過労がたたって咽を潰してしまい、手術を受けなければならなくなり、将来に自信が持てなくなったのだと言う。

軽く彼女を励ましてその場を離れたムラマサだが、実はかがり、地元の名門料亭「なぎさ亭」の娘でもあり、彼女には日本開拓大学に通う三人の兄弟がいた。

ボクシング部の長男、山本又一郎(郷えい治)、剣道部の次男、又二郎(岡崎二朗)、そして、落研の三男、又三郎(畠山麦)。
彼らは訪れた浜辺で、妹が自殺も思いとどまったのに安心したのと同時に、砂浜に脱ぎ捨てられた彼女のパンティに不信感を募らせるのだった。

地元の百合ヶ丘短期大学で開催中の学園祭に訪れたムラマサ、ミス百合ヶ丘の大久保こずえ(右京千晶)の存在を知るや、持ち前の強引さで彼女にアタック、すぐに、彼女とその友だちのあゆみ(松原麻理)と友だち関係になってしまうのだが、実は、そのミス百合ヶ丘に目を付けていたのは彼だけではなかった。かがりの弟、又三郎もこずえに惚れていたのだが、まんまとムラマサに奪われてしまい、地団駄を踏むことに。

山本三兄弟と一悶着あった後、熱海を後にしようとしたムラマサの前に、新たな美女が登場する。

ホテルシーサイドの娘で、今はスチュワーデスをやっている千秋(桑原幸子)であった。
見合いのために、帰郷したのであったが、彼女を出迎えた従業員(丹下清子)が、ムラマサのことを、見合い相手である「なぎさ亭」の長男、又一郎と勘違いしてしまう…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「週刊漫画アクション」に掲載されていた人気劇画の映画化作品で、シリーズ第3弾。

セックスと喧嘩に明け暮れる風来坊の青年という、いかにも青年劇画そのままの内容で、御都合主義丸出しのばかばかしい展開ではあるが、大門正明が、あっけらかんとした主人公を良く演じており、気楽に観られる娯楽映画になっている。

ガクラン姿の大門正明というのも意外だが、当時は本当に痩せていて若々しい。

今観ると、本作には大門以外にも意外な人が色々出ていて驚かされる。

まず、「なぎさ亭」のシーンで芸者まり奴役でチラリ登場、お色気サービスを見せるのは、アンヌことひし美ゆり子。

ムラマサの行く先々で、彼のことを監視している謎の中年男は、テレビ東映特撮ものでお馴染みだった「地獄大使」「イタチ男」の潮健児。

ラストで、ちらりと登場する名古屋章の姿も嬉しいが、何と言っても、本作で注目すべきは、ムラマサに挑む三兄弟の末っ子又三郎として、最初から最後までハイテンション演技で目立っている畠山麦さん。

カレー大好きキレンジャーのあの人である。

畠山さんは、「ゴレンジャー」放映終了直後、自殺為さった方だけに、その出演場面は貴重。

女優陣は、お色気シーンがメインなだけに、あまり馴染みに顔は登場しないが、「月待かがり」役の恵美(フィミー)という女性、劇中で、パンチのきいた歌声も披露している所を見ると、役柄同様、新人歌手でもあったのだろうか?

本作の翌年、実写版映画としてマニアの間だけに名高い「ルパン3世 念力珍作戦」(1974)にも登場していたらしい。