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バツグン女子高校生 16才は感じちゃう

1970年、東宝、長野洋脚本、松森健監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

登校前、浜辺で早弁を賭けた下らない勝負に興じていたチョロ(矢野田啓治)ら落ちこぼれ三人組(木村豊幸、頭師孝雄)は、彼らが通うおかめ高校に向う、見知らぬ美少女の姿を見かける。

校門前で、彼らが、先ほどの少女と見間違ったのは、教育実習で高校に通っていた大学生の滝村知子(内藤洋子)、地元の開業医で、「あおひげ」のニックネームを持つ滝村(夏木陽介)の妹でもある。

間もなく、担任の「べんけい」こと森岡(黒沢年男)に連れられてきたのは、先ほどの美少女、川村弓子(吉沢京子)、2年前、事故で両親を失い、借金のかたに東京の家屋敷まで取られてしまい、今は、地元で酒屋をしている叔母の良恵(久保菜穂子)の家に世話になっているらしい。

知子が顧問をしている山岳部で、毎日しごかれている落ちこぼれ三人組は、憧れの弓子が、森岡が顧問を勤めるテニス部に入部したと知り、興味津々。

いつも口げんかが耐えず、表面上は犬猿の仲に見える両部の森岡と知子は、実は互いに相手を意識しあう仲だった。

しかし、そのテニス部のコートが、老朽化した校舎の改築費ねん出目的のため、教頭(藤木悠)と建設会社によって、売られてしまったことを知りテニス部員たちは困惑顔。

弓子のクラスメイトで、博士と言われている曾根(小倉一郎)は、自分の父親(美川陽一郎)が、その建設会社に勤めている立場もあり、複雑な心境になる。

男やもめの住職(有島一郎)は、分社詣りと称して、小さな離島「ごろべえ島」に向うのだが、それに、弓子や曾根、テニス部員の女子学生が泳いで付いていくのを見た山岳部員たち、不承不承、自分達も彼女たちの後を追って島へ泳いで渡ることに。

実は、その「ごろべえ島」、弓子の祖父で、今はブラジルで成功していると言う結城五郎兵衛(上田吉二郎)が、戦時中、市に譲り渡していたもので、今は、誰も使っていない、広大な荒れ地が残っているだけなので、森岡らは、そこに自分達でテニスコートを作ろうと整地を始める。

しかし、それを聞かされた教頭は、船まで大勢の客を運べる船ができなければ、島の使用は許可できないと言い出すし、市の役員(堺左千夫)は、後日、その島まで建設会社に売ってしまう。

自動車修理工をやっているチョロの父親(三遊亭金馬)の協力を仰ぎ、自分達で輸送用いかだを作りかけていた生徒たちは逆上してしまう。

全ては、自分の父親のせいと思いつめた曾根は、単身、海に船を漕ぎ出すが、それを偶然見かけた弓子は、一緒に小舟に乗り込み「ごろべえ島」へ渡るのだが、やがて降り出した土砂降りの雨の中、二人は島で一夜を過ごすことになる…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

吉沢京子を主役としたアイドル学園もの。

テレビのスポ根人気ドラマ「柔道一直線」(1969〜1971)と、ほぼ同時期に作られた作品。

とにかく、吉沢京子が愛らしく写されているのに注目。

1965年のテレビ映画、石原慎太郎原作「青春とはなんだ」から始まった一連の青春学園ものシリーズを、そのまま踏襲した設定になっている所が見所の一つ。

校長-十朱久雄、教頭-藤木悠や、おちこぼれを演じる矢野田啓治と木村豊幸コンビなど「青春とはなんだ」と全く同じ。ちゃんと「青春とはなんだ」で主役を演じた夏木陽介も出ているし…。

海に向って「バカヤロー!」と叫ぶ定番演出や、岩谷時子作詞、宮川泰作曲の爽やかな主題歌が60年代っぽさを醸し出している。

本作は、そうした60年代青春ドラマに、ちょっぴりエッチな描写が加えられているのがミソ。
もちろん、ほんのサービスくらいの演出であり、吉沢京子自身は、そうした描写からはがっちり守られている。

胸毛がまぶしい好漢、黒沢年男と、「デコちゃん」こと内藤洋子のお転婆振りも魅力。