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夢野久作の少女地獄

1977年、日活、夢野久作原作、いどあきお脚本、小沼勝監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

大きな体格で、走る事と食欲が旺盛な事から、「火星さん」とあだ名されている甘川歌江(小川亜佐美)と、裕福な家の令嬢だが、病身の母(岸本まき子)がありながら女遊びを続ける父親(江角英明)を持つ殿宮アイ子(飛鳥裕子)は、同じカトリック系の女学院のクラスメイトという事もあり大の仲良しだった。

そんな二人の過度の付き合いを、汚らわしいものでも見るような目つきで観察していたのが、トラ子先生(江沢萌子)、今日も、食い意地が張っていると歌江を罰するのであった。

アイ子の他に、親しい友人もいない歌江は、ある雨の日、一人は走る練習をしている所で、優しい校長(桑山正一)から声をかけられ、家まで送ってもらうのだが、その時貸してもらった傘を返却しにいった際、あろう事か、校長に乱暴されてしまう。

実は、表面的には信心深く好人物に見える校長だったが、裏では独身である事をいい事に、女生徒たちを毒牙にかける悪らつな生活を送っていたのであった。

さらに、経理担当の川村(三谷昇)も、不正経理を働いていたのであった。

そんな学園のどす黒い裏事情など全く知らないうぶなアイ子は、妊娠を無邪気に校長に告げるのだったが、校長に連れていかれたのは堕胎専門の老婆の所であった。

かろうじて、そこから逃げ出したアイ子であったが、卒業式の後、学校の作法教室が全焼し、焼跡から女の焼死体が発見される。

死体はアイ子のものと思われたが、校長は、その日から無気味な陰におびえるようになっていく…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

成人映画の形を借りて少女たちの復讐を描くアダルトミステリー。

冒頭から、白い風船が象徴的に使われている。

ロケ地は、北海道の函館辺りのように思えるが、トラ子先生のセリフなどには、九州弁のような訛りが少し取り入れられている。

岡本麗が、芸者役で体当たり演技を見せているのも注目。

ラストも幻想的で、印象に残る。