1947年、千代紙映画社、大藤信郎監督作品。
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一人の少女が、雪の中、一件の家から追い出されている。
彼女の母親はすでに亡くなっているらしく、しきりに少女は母親の名を呼ぶ。
やがて、少女は、町行く人に何かを売ろうとするのだが、誰も相手にすらしてくれない。
暖かそうな家の窓からは、贅沢なごちそうに囲まれ、クリスマスのプレゼントをもらっている楽し気な少年の姿が見える。
少女は、又母の名を呼び、ロウソクに火をつけるのだった。
すると、美しい女性が現れ、少女のために、人形やごちそうを次々に出してくれるのだった。
しかし、気が付いてみると、少女は雪の中に倒れ込んでいた。
そこに、見知らぬ女性が通りかかり、倒れた少女を助け起こすと、母親がないのを知り、自分が新しい母親になってやると、少女を連れて行くのであった・・・。
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孤高のアートアニメ作家大藤信郎が終戦直後に作った短い作品。
フイルムの状態が非常に悪く、タイトル部分が失われていたり、音声も非常に不明瞭なため、今一つ、内容がしっかり把握できない恨みがある。
全体のイメージから、おそらく「マッチ売りの少女」を描いたものと思われるのだが、微妙に展開が違っているようにも見え、かなり、オリジナル要素を取り入れアレンジしてあるのかも知れない。
特に、最後の部分は、少女が救済されたようにも思えるし、死を暗示しているようにも思える。
全体的には寓話風なのだが、何故か、物悲しくなる作品ではある。
将来が見えない不安の時代を反映しているのかも知れない。
