1994年、ヘラルド・エース+日本へラルド、天願大介脚本、林海象脚本+監督作品。
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横浜黄金町にある名画座日劇の二階に事務所を構える私立探偵濱マイク(永瀬正敏)。
両親のいない彼は、16才になる妹の茜(大嶺美香)を自力で大学まで行かせようと頑張る一途な性格の持ち主だったが、元々は、ぐれて何度も少年院送りになっているような札付きのワルだった。
そんなマイクが、地元の中学生時代からの仲間と麻雀を楽しんでいた所、台湾から来たらしいボーイが、たちの悪い客に絡まれている現場を目撃する事になる。
よせば良いのに、つい口を出してしまったマイク、相手がいきなり出した刃物で小指を切断されてしまうはめに。
後日、楊海平(楊海平)と名乗るあの時のボーイが、マイクの事務所を訪ねてくる。
怪我をさせたお詫びに金を渡そうとするのだが、マイクは受け取ろうとしない。
すると、自分の兄の楊徳健(楊徳健)を探してくれと、仕事の依頼をする。
その頃、地元では、自らを「ニュージャップ」と呼ぶ、日本人に帰化した不良外国人が集まる「黒狗会」という裏組織によるらしい凶悪事件が頻発していた。
マイクは、少年院時代の仲間で個人タクシーの運転手をしている星野(南原清隆)の協力を仰ぎながら、徳健の消息を知ろうと調査をすすめるのだが、直に、海平の不審な動きにも気付きはじめる…。
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チンピラのあんちゃんが事件を解決して行くという、従来のハードボイルド映画を若者向けに捻ったような、独特の軽みを持った探偵物語のシリーズ1作目。
佐野史郎や映画監督である塚本晋也などが、個性的な敵役として登場するかと思えば、宍戸錠がジョー・シシドという、自らをパロディ化したようなキャラクターで登場したりして、全体的にサービス満点。
探偵事務所のある名画座など、いかにも映画好きの心をくすぐるような設定で、展開の妙と相まって、全編浮き浮きした気分にさせてくれる。
一方、本物の台湾の俳優の出演は、画面に異様なリアリティを与えており、一見浮ついたようなトーンを引き締めて行く。
マイクをネチネチといたぶる刑事役に麿赤児、南果歩などが出演している。
雰囲気、テンポ、キャラクターの面白さ等、魅力が詰まった優れた娯楽映画だと思う。
