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彼女が水着にきがえたら

1989年、フジテレビ+小学館、ホイチョイ・プロダクション原作、一色伸幸脚本、馬場康夫監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

朝鮮戦争当時、一人の成金がソウルから厚木に向けて50億円相当の宝石をDC-3で運ばせたのだが、この機が途中で墜落、それから33年が過ぎた今でも、その事実を知る謎の男(佐藤允)は、その捜索を続けていた。

衣料関係の会社に勤める田中真理子(原田知世)と恭世(伊藤かずえ)は、ダイビングの練習をした後、恭世の知人で金持ちの山口のクルーザーに乗せてもらい、相模湾にダイビングをしに行く。

水中で、インストラクターを見失ってしまった彼女らは、不思議な残骸を海底で発見する。
墜落したあのDC-3「ドラゴンレディ」であった。

しかし、その正体も知らない二人は、空気切れに気付き大急ぎで海上へ。

そこで、彼女らは「ドラゴンレディ」を独自に探索していた吉岡文男(織田裕二)と伯父の大塚(谷啓)のクルーザー「つばめ号」に遭遇する。

実は、山口も又、大塚同様「ドラゴンレディ」探索に必死になっているライバル関係であった。

彼女たち二人が何気なく漏らした「ドラゴンレディ」発見の情報を知った大塚と山口は、機体発見の競争を始める。

さらに、怪し気な一味もその競争に加わってくる…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

…とストーリーを語っても、本作ではあまり意味がないように思える。
話自体は付け足しのようなものだからだ。

この作品は、海のレジャーを楽しむための各種アイテムの紹介と、美しい海中の映像を楽しむカタログ雑誌の映像版のようなもの。

バブリーといえばバブリーそのものの内容なのだが、サザンのヒット曲が心地よく重なり、今観てもそれなりに楽しめる。

映像そのものに、ある種の「爽快感」をもたらすものがあるからだろう。

映画に意味を求める従来型の評論では評価の低い本作だが、それまでとは違った「カッコイイ映像そのもの」だけを狙ったかのような感性主体のこの作品は、確実にその後の日本映画に影響を与えている。

この映画をそれなりに楽しんだ世代が、作り手側にも観客側にも増えて来たという事だろう。

本作が公開された1989年といえば、ついこの前のような印象もあるが、劇中、煙草を嫌う真理子を、文男をはじめとする男連中が「新興宗教か?」とからかったり、文男がしょっちゅう公衆電話を使っているのを見ると、やっぱり時代の隔たりを感じてしまう。

実は、本作にもワンシーンだけケイタイが登場しているのだが…。
「マルサの女」(1987)で初お目見えした肩掛け式の鞄のようなやつ。

金持ちの山口が、取り巻きの者に持たせていた。

事故にあったクルーザーから、織田裕二が「メーデー!メーデー!」と無線に向って叫んでいる所等、「踊る大捜査線」の青島そのもの。

知世ちゃんは清楚で、水着姿になっても全く嫌らしさのかけらもなく爽やか。

それとは対称的なヴァンプ型というか、お色気キャラクターを託されたのだろうが、伊藤かずえも又爽やかで可愛らしいだけなのがおかしい。

この当時すでに、若くても大人の色気を表現できるようなタイプの女優がいなかったという事もあるのだろうが、逆にそういう所が、この作品を、大人の観客よりも、当時の子供に近かった層に受けさせた要因になったようにも思える。

笑顔が子供っぽく、まだあどけなさが残っていた竹内力などにも注目したい。


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