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花と蝶

1954年、千代紙映画、大藤信郎監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

ある朝、三頭の蝶がお花畑で遊んでいます。

赤いリボンのベニコさん。白いベレーをかぶったユキヨさん。黄色いおベベのキミエさん。

三人は各々、赤、白、黄色の花から朝露をもらって咽をうるおします。

鳥に出会ったりしながら、三人娘は、自分達のテーマソング(「春が来た」の替え歌)を唄いながら、楽しく遊んでいました。

そんな中、突然、雨が降り出したからさあ大変!

雨に打たれて雨宿り先を探す三人娘は、いつも朝露をもらっている赤白黄色の花の中に入れてもらおうとするのですが、どの花も、自分と同じ色のチョウチョしか入れてくれないのです。

仲良し三人娘は、自分一人だけが雨宿りするのは嫌でした。

それで、困り抜いていると、先ほどであった鳥が見兼ねて、木の葉っぱを三人娘に投げてくれました。

寒さに震えていた三人娘は、その木の葉で身体を包み、何とか雨をやり過ごす事が出来たのでした・・・。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

切り紙アニメの大藤としては珍しい、コニカラーで作られたカラーセルアニメ作品。

一見、単純なカラー用の実験アニメに思えなくもないが、その中にも、自分と同じ色の蝶しかかばわない花の姿に、大藤の人間不信の視線が混入しているように思える。

深読みすれば、三頭の色違いの蝶は人間でいえば人種の違い。
互いに仲良くできるはずなのに、世間では、肌の色で差別する人たちがいる…という風に取れなくもないからだ。

一種の教訓話として観る事もできるという事だろう。

基本的に、この作家、しっかりした画力があるので、キャラクターものを描いても巧い。