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愛情物語

1984年、東映、赤川次郎原作、剣持亘脚本、角川春樹監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

仲道美帆(原田知世)は、16才の誕生日に継母の治子(倍賞美津子)と憧れのミュージカルを観ていた。

子供の頃から続けていたバレエをあきらめ、ミュージカルのダンサーを目指す決意をしたのだ。

美帆は、独身だった治子が25才の時に拾った子であった。
そんな美帆には、誕生日になると、毎年、年の数だけ花束が送られてきていた。

美帆は、「足長おじさん」と呼んでいたその花の送り主を、自分を捨てた父親だと思っているのだが、父親が自分に残してくれた赤いトゥーシューズがはけるようになった今、一人で会いに出かけると治子に告げる。

花屋に嘘をいい、送り主の住所を突き止めた美帆は、送り主の名が記されていた金沢の陶芸工房を訪ねるのだが、該当者の篠崎拓次(渡瀬恒彦)は全く心当たりがないという。

しかし、あきらめきれない美帆は、今の仕事に満足できず、新たな研究のため、旅に出かける事にした篠崎に同行する事になる。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

基本的には、原田知世を見せるアイドル映画なのだが、 ちょっと暗い雰囲気を含んだロードムービーと幻想的なダンスシーンが交差する独特のというか奇妙な作品になっている。

成長した娘を慈しむかのように撮る、角川監督の知世ちゃんに対する愛情映画という感じ。

基本的には、前年に思わぬヒットとなった「フラッシュダンス」にヒントを得た企画だったのではないだろうか。

知世ちゃんは良く頑張って踊っているし、ミュージカルシーンは合成処理等も加え、それなりに見ごたえはある。

東宝の「君も出世ができる」(1964)の興行的失敗の後、日本ではほとんど作られる事がなくなったミュージカル映画としては貴重な作品といえよう。

加賀まり子、室田日出男などが、登場場面は少ないながら印象的な芝居を披露している。

理屈で観るというより、映像快感に身をゆだねて楽しむようなタイプの作品と言えるだろう。