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サラリーマンどんと節 気楽な稼業と来たもんだ

1962年、大映、青島幸男原作、高橋二三脚色、枝川弘監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

修学旅行中らしきハナ肇演ずる老教師がクラーク博士の「ボーイズビーアンビシャス」という言葉を説明し、生徒たちに将来の夢を聞く。

植木等をはじめとするクレージーの面々扮する学生たちは、異口同音に「サラリーマン」になりたいという。
「気楽な稼業だから」というのが一致した理由らしい。

さて、お話変わって、三日月物産東京本社の会議では、社長(高村栄一)が全国に三十数社ある支店の中で、唯一赤字を出している信濃支店の事を指摘していた。

そんな事とも知らない当の信濃支店では、古参の社員7名(クレージーキャッツ-全員二役)が、東京本店に配置変えされるというので宴会を開いていた。

彼らが東京に旅立った後、父親が三日月物産信濃支店の万年小使いさんで、自分も中卒であるため、給仕上がりの万年見習い社員待遇に甘んじている柏木洋介(川崎敬三)は、同僚で個人的にも付き合っていた浅井久枝(三浦友子)と、自分達の未来を話し合っていた。

そんな信濃支店に、新たに7人の社員を送り込んで人事一新を計るため、その内部調査もかねて、社長の息子(網中一郎)を差し向けるという連絡が社長直々に届く。

その連絡に慌てたのは、支社長の大島(潮万太郎)だった。

何しろ、長い間、杜撰な経営態度で、本社には知られたくない不正の数々が隠されていたからである。

その話を聞き込み、うまく利用して一人出世しようと企んだのが、浅井久枝にちょっかいを出していた前田(三角八郎)という社員。

彼は、支社長ら一派と結託し、何とか、社長の息子を篭絡する作戦を考案するが、内部資料の作成を手伝わせた柏木洋介の事を心配しだす。

何せ、柏木は、真面目を絵に書いたような男で、不正に加担する等という事が出来そうにもなかったからである。

支社長たちは、何とか、柏木を懐柔させようと、あの手この手の作戦を考え出すのだが…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

「スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ」(1962)に続く、クレージーヒット曲シリーズ第二弾。

前作よりは出演シーンが増えているものの、今回も又、クレージーの面々は、ちらりとゲスト的に出演する程度。

本作も基本的には、ちょと情けなさそうなキャラクター川崎敬三を主演としたサラリーマン喜劇である。

喜劇…とは書いたが、喜劇畑とは無縁そうな普通の役者さんばかりによる喜劇風ドラマといった方が良いだろう。

ちょっととぼけた支社長が恐妻家で…といった辺りは、東宝の「社長シリーズ」などと同じ。

川崎敬三扮する柏木洋介の真面目さ、勤勉さ、うぶさが、意外にも女性たちにモテてモテて…という辺りのアイデアをベースとしたドタバタになっており、他社とはひと味違った大映独自のサラリーマン喜劇を目指していたのかも知れないが、あまり成功しているとは思えない。

洋介の母親役で浦辺粂子、支社長の娘役で、新東宝作品等でお馴染みだった万里昌代が出演している。