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オリエント急行殺人事件

シドニー・ルメット監督が、オールスターを結集して作り上げた娯楽ミステリーの秀作。
原作は、有名なアガサ・クリスティ。
ミステリィファンにとっては、おなじみのトリック作品なので、豪華な配役陣が各々の役柄をどう演じるかが興味の対象になる所だし、トリックを知らない人にとっては、あっと驚く趣向が後半に待っている。
名探偵ポワロが乗り合わせたオリエント急行内で、ある夜、一人の男が殺される。
しかも、列車は大雪の為、動きが取れなくなり、そこはさながら「密室状態」になる訳である。
ポワロは、乗客の一人一人に事情を聞く事になるのだが…。
原作自体が古典特有の、動きのほとんどないストーリーなので、どちらかと言えば映像には向いていない内容にも思えるのだが、そこは「12人の怒れる男」のルメット監督、狭い列車内と限定された人物だけでも、十分に見ごたえある画面に仕上げている。
イングリッド・バーグマン、ローレン・バコール、ショーン・コネリー、アンソニー・パーキンス、ジャクリーン・ビセットなど、キラ星のごときスターの共演を見るだけでも楽しいが、ラストのヒューマンな(甘い?)解決法も説得力があり、後味は悪くない。
謎解きミステリーの映画化で成功するものは少ないが、これはその数少ない成功例と言えるのではないだろうか。