1996年、アメリカ、スチュアート・ゴードン監督作品。
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海王星の第一惑星トリトン上にあるリサーチ社本部。
地球征服を考えているE・J・サグズ社長は、ネイベル博士(チャールズ・ダンス)が開発したスーパーバイオ兵士の出来に満足していた。
演習とは知らされていなかった基地内の人間兵士達を、瞬時に全滅させたからである。
バイオ技術で作られたそのスーパー兵士は、すでに5000体用意してあるという。
しかし、悪らつなサグズは、口封じのため、ネイベルから渡された操縦リモコンを使い、ネイベル本人をスーパーバイオ兵士に襲わせるのであった。
とある宇宙港。
火星から2日遅れで四角豚を運んできた大型宇宙トラック「パッキーダム2000」が到着する。
運転手は、トラック同様、年代物で頑固なジョン・キャニオン(デニス・ホッパー)。
遅配を理由に、ギャラ減額を通達してきた依頼主であるインター・ポーク社のケラー(ジョージ・ウェンディ)に猛反発。
荷物をそのままに、ステーション内のレストランにやってきたキャニオン、馴染みのウエイトレス、シンディ(デビー・メイザー)が若い男と親し気に話している姿を発見、むくれる。
その若者は、トラック教習所を出たばかりの新人マイク・プッチ(スティーヴン・ドーフ)といい、ケラーからの依頼を受け、キャニオンの後釜として、仕事を任されたばかりなのであった。
年の差も気にせず、母親が待つ地球へ行きたがっているシンディを口説き、半ば強引に結婚の約束をしてしまうキャニオンは、レストランに乗り込んできたケラーらと喧嘩を始めるが、相手の一人が放った銃弾で窓が破れてしまい、ステーション内の空気と共に、ケラーも窓から宇宙へ吸い出されてしまう。
殺人の罪を着せられる事を悟ったキャニオンとシンディ、さらに、成行き上、キャニオンに加勢した形になったプッチの三人は、秘密の通路から、ステーションの主のような人物の所へ逃れ、何やら訳ありげな地球への至急便の依頼を、これ幸いとばかりに引き受けると、すぐさま、追尾してきたパトロールカーを振り切ってトラックを出発させるのだった。
やがて、宇宙の墓場と呼ばれる箇所に差し掛かった一行は、黒い流石群に遭遇、車体を損傷してしまう。
冷却装置が壊れ、停止していた彼らの前へ現れたのが、巨大な海賊船。
中身不明のコンテナ諸共、海賊船に飲み込ませてしまったキャニオンらは、仲間内で噂に高い海賊の首領、マカヌード船長と出会う事になる。
そのマカヌード船長とは、身体の半身を機械に改造した無気味な人物だった・・・。
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現実のトラックの形をそのまま模したような、薄汚れて下品な色合いの宇宙トラックに象徴されるように、全編、 キッチュでポップな感覚で作られた宇宙もの。
骸骨の書かれた黒い海賊宇宙船など、日本のアニメ「キャプテン・ハーロック」などを連想させたりする。
スーパー戦士のデザインは、妖艶な女性型ロボットの絵で有名な日本のイラストレーター、空山基氏の手によるものらしい。
後半は、そのバイオ兵士を相手の「エイリアン」もどきの展開となるのだが、如何せん、空山氏のセンスは、「恐怖」や「不気味さ」とは全く相容れないスマートなものだし、兵士の出来自体、幼児向けヒーローものにでも出てくるような着ぐるみそのものという感じで、ほとんど怖くない。
あくまでも、「エイリアン」風サスペンスも取り入れてみました…というくらいのノリなのだろう。
マカヌード船長が、人質となったシンディを自室で抱こうとする所で、肝心の電動(?)メカが役に立たなくなってしまう辺り、下品だがおかしい。
暇つぶしに、何も考えずに見る分には、十分な出来ではないだろうか。
