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19ナイティーン

1987年、東宝映画+ジャニーズ事務所、康珍化原作+脚本、山下賢章監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

西暦825年、サマルカンドの砂漠、3人の青年が追い求める、カルタゴやフェニキアで都市を壊滅させてきた女性は、すでに逃げた後のようだった。
この時代での時空の出口は3ケ所、647年のアレキサンドリア、1512年の西安、1939年のベルリン。

3人は、イギリスとフランスがドイツに宣戦布告した時期のベルリンへ飛ぶが、そこにもすでに女性の姿はなかった。
そこからの出口は一ケ所だけ、1998年のトーキョーだった。

1998年のトーキョー、16才のお転婆娘ミヤコ(小沢なつき)と、弟で小学生のヨリトモ(山田一平)は、パパ(村井邦夫)とママがバカンスで出かけた後、二人きりで家の留守番をしていた。

ミヤコはボーイフレンドのターボ(坂井徹)と夜遊びに出かけた帰り道で、「イーストWF205」と名乗る不思議なコート姿の青年に出会い、そのまま、彼を自宅に連れてきてしまう。

翌朝、起きてきたミヤコは、イーストと一緒に、彼と同じような格好をした見知らぬ2人がいる事に気付き、ヨリトモと一緒に大騒ぎ。

聞けば、彼らはウエスト(錦織一清)とサウス(植草紀之)といい、友だちを捜しに来たのだという。

ミヤコと一緒に、街へ捜索へ出向いた3人は、目指す相手を見つけだすセンサーに、街で安く出回っている青いペンダントが全て反応する事が分かり、途方に暮れて帰宅するのだが、そこで奇妙な現象に襲われて空間に浮遊していたヨリトモを救出する事になる。

見れば、2階のミヤコの部屋が、枯れ木に覆われたような異様な空間に変化してしまっているではないか。

ここへ来て、3人は全てをミヤコ姉弟に告白する。

彼らは、2550年の未来からやってきたタイムパトローラー。
ある年、太陽系に接近した小惑星へ調査に向った探査隊、さらにその後、救援に向った空挺団一個師団全てが消滅してしまったのだという。

その惑星には、あらゆる生物を同化しバンパイア化する生物、つまり、永遠に死なない「生命のブラックホール」ともいうべき生物が存在しており、それに同化しバンパイア化した39体の内、20体は未来に、19体は過去へと時間を逃げたが、過去へ逃げた最後の一体だけがまだ捕らえられていないという。

しかも、その最後の一人カミーラナインティーンというのは、イーストのスペース・アカデミー時代の同級生で恋人であった19才の女性、ソフィア(アレクシス・ホール)なのだった。

ソフィアは、死ねなくなった自らの肉体を滅ぼすために、何故かこの時代にやってきたらしいのだ。

その頃、北多摩地区では、青いペンダントを付けた若い女性が、プルトニウム弾で殺害されるという連続殺人事件が起こっており、ミヤコの家にも、捜査一課のフカザケ警部(柳生博)がやってくる・・・。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

少年隊を主役にしたSF風アイドル映画。

ストーリーの骨格は、「エイリアン」(1978)「ブレードランナー」(1982) 「ターミネーター」(1984) 「スパースバンパイア」(1985)などから抽出したアイデアをアレンジしたもので、ドタバタ調の他愛ない低予算作品風テイストと、単なるアイドル映画と片付けてしまうにはちょっと惜しいような独特の雰囲気が混在する、ちょっと不思議な作品になっている。

時間もののアイデアを背景にすると、どうしてもパラドックスのようなものが気にならないでもなく、本作でも、最後にニッキが「僕は、小惑星がやってくる直前の時代に戻り、探査隊を阻止してみる」などといっているが、それができるのだったら、最初からそうしていれば何も問題は起こらなかったのでは?…などとも考えてしまう。

まあ、アイドルものに、あれこれうるさくいうのも野暮というものだろう。

明石家さんま、片岡鶴太郎、荒勢などがちらりと顔を見せている。

ソニーが協力しているためか、サングラススタイルのビデオウォークマンなども登場しているのが、時代を感じさせたりする。

マニアなら、特撮を担当している川北さんの特長がすでに出ているのに気付くはず。