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木枯し紋次郎

1972年、東映京都、笹沢左保原作、山田隆之脚本、中島貞夫脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

ワラジを脱いだ切石の忠兵衛の家で、日野の左文治(小池朝雄)という先客と相部屋になった紋次郎(菅原文太)は、その家の喧嘩の助っ人仕事で大立ち回りを演じた後、加勢した左文治にその腕っぷしをすっかり気に入られ、誘われるまま、彼の郷里である日野に逗留する事になる。

病気で寝たきりの母親を看病していた左文治が、十手持ちの井筒屋仙吉を斬り殺してしまったため、その原因を作った彼の幼馴染みの両替商安田屋の娘、お夕(江波杏子)が自分が身替わりとして自首して出ると申し出る。
かねがね、自分に気のある素振りを見せていたお夕の事もあって、紋次郎は、成行き上、自分が身替わりを買って出る事になる。
左文治は、母親の面倒を見終わったら、すぐにでも自分が名乗り出るからと、紋次郎に固く約束して感謝するのであった。

時に天保6年、こうして、紋次郎は三宅島に島送りになる。
彼ら罪人達が乗る舟を、小舟で追ってきたお夕は、紋次郎の目の前で海に身を投げてしまう。

当時、222人の罪人が過酷な生存競争を繰り広げていた三宅島では、清五郎(伊吹吾郎)、捨吉(山本麟一)、源太(渡瀬恒彦)、お花(賀川雪絵)らが、秘かに島抜けの計画を練っていた。

彼らから同行を誘われていながら、左文治やお夕への義理立てから、それを断わり続けていた紋次郎だったが、島で知り合って面倒を見ていた、お夕とそっくりで同じ名を持つ女(江波杏子-二役)が、夢見た御赦免が叶わない事に絶望し海に身を投げてしまった事や、新入りの亀蔵(西田良)という男から、左文治の不審な近況を聞き知った事がきっかけとなり、清五郎らと一緒に島抜けに参加する決意をする。

折から雄山が大噴火し、島中が大騒ぎになったのに乗じ、彼ら5人は、盗んだ舟で海に漕ぎ出すのだが、途中で、醜い同士討ちが始まる…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼


市川崑監督、中村敦夫主演コンビで一大ブームを巻き起こしたテレビ時代劇「木枯し紋次郎」の映画化作品である。

本来、股旅もののはずが、本作で描かれているのは、大半が三宅島での過酷な生活や、そこからの脱出劇というサバイバルもののような内容になっており、テレビシリーズとの差別化を意図して作られたのではないかと推測される。

推理ものでも手腕を見せた原作者の作品だけに、この作品でも、意外な結末が用意されている。

島に生えた2本のソテツの木が花を咲かせた時、御赦免舟がやってくるという「御赦免花伝説」や、それに重なるような薄幸の女、島のお夕の末路などにも、原作者好みのロマンチシズムを感じさせる。

本来、誰とも関わり合いを持たない事を信条としている紋次郎が、つい、情にほだされて義侠心を出してしまったばかりに、自ら残酷な陥穽に落ちてしまう顛末も、又哀しい。

菅原文太の紋次郎は、中村敦夫とは又違った独特の雰囲気を持っている。

後半、紋次郎を追う長三郎役に藤岡重慶、その子分に川谷拓三、又、原作者の笹沢左保も、女犯の罪で島送りされてきた青年僧としてゲスト出演している。