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どぶ鼠作戦

1962年、東宝、岡本喜八脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

夜、軍隊のトラックの列に忍び込み、車体の下に何かを取り付けている男。

翌朝、そのトラックが、大勢の兵隊を荷台に乗せて出発する。
途中、車の前に一匹の黒豚が立ちふさがる。
それを捕まえようと運転手が降りると、何と小豚には紐がついており、隠れてその紐の端を持っていた足の悪い男が車に乗せてくれと近づいてくる。
しかし、「42259」というナンバープレートを見たその男、「死にに行く」と読めるので縁起が悪いから乗せてもらうのは止めたと引き下がる。

呆れた運転手はそのまま、男をその場に残して車を出発させるが、そのトラックは大爆発。

バラバラになったトラックの残骸の側で、怪し気な農民が何事もなかったかのように鍬を振るっている。

そこに近づいてきた先ほどの小豚連れの男、その農民と博打をし、まんまとその農民を負かせて、自分の荷物を持たせると、元山寺の和尚だという殺生嫌いの変わり種、正宗少尉(藤田進)率いる前線基地へ到着するのだった。

小豚を連れていた男は林一等兵(加山雄三)、その愛豚のプー公を捕まえようとした憲兵曹長を殴りつけてしまったため、赴任早々営巣送り。

農民に扮していた男は長船元軍曹(佐藤允)、現在では軍籍を離れ、その首に賞金がかかっている、白虎と呼ばれる特務機関員であった。
彼は、前線基地の中で、他の中国人特務機関員相手にのんきに麻雀をしている無双(中丸忠雄)と呼ばれる敵の密偵隊長に出会うが、お互い気楽な世間話を交わすだけ。
彼らは互いに相手の技量を認めあうライバル関係なのであった。
日本軍のトラック爆破も、実は無双の一味の仕業。

そんな正宗部隊に、ある日、新任の参謀、関大尉(夏木陽介)が視察にやってくる。
彼は途中で捕まえた敵の将校らしき男(江原達怡)を、特務機関員たちに銃殺しろと命ずる。
実は、白虎以外の特務機関員は皆中国人、同国人同士で殺させろというのであった。

しかし、始めて前線に出た関大尉は、その処刑に立ち会い、精神的に動揺してしまう。

やがて、その関大尉が帰った後、白虎は、軍法会議にかける問題兵を本部に連れ帰ってくれと正宗から頼まれる。

空手三段の三好炊事班長(中谷一郎)、その班長を憎んでいる穴山上等兵(田中邦衛)、忍者に憧れ、火遁の術が得意だという佐々木二等兵(砂塚秀夫)、そして、あの林一等兵。

しかし、師団司令部に到着した彼らを待っていたのは、関大尉が途中で行方不明になったという知らせ。
白虎は、立ち並ぶ参謀連中から、関大尉捜査の命令を受ける。
関大尉の実父である関師団長(上原謙)からは、息子に宛てた自決用の短刀まであずかる始末。

気が進まないながら、白虎は、連れてきた4人の問題兵を率いて、関大尉捜索の旅に出かけるのだった・・・。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

岡本監督の代表作「独立愚連隊」(1959)に繋がる、中国戦線を舞台にした痛快娯楽戦争活劇の一本。

ミッキー・カーチス演ずる、正宗少尉の元で働くいかにも頼りなさそうな大森見習い将校始め、 とにかく、登場する主要人物たちが、皆ユニーク。

体が不自由なのに陽気な加山雄三に、口数少なく陰気な田中邦衛、暗い目を持つ敵の兵隊に江原達怡と、「若大将」トリオも登場。(若大将シリーズはこの前年から始まっている)
同じシーンには登場しないが、加山は上原謙と親子共演でもある。