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クレージーメキシコ大作戦

1968年、東宝+渡辺プロ、田波靖男脚本、坪島孝監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

お城で、殿様(植木等)が、大勢の腰元たちに囲まれて御機嫌に呑んで騒いでいる。
家老(人見明)もあきれ顔。

しかし、それは全部夢の話。

酒森進(植木等)は、「タイガースホテル」、つまり「酔っぱらい保護センター」なるブタ箱でお目覚め。
トンボ眼鏡姿の美大生だという絵美(浜美枝)が同室者として挨拶してくる。

その頃、親分の身替わりとなってムショ暮らしをしていた全課13犯のヤクザ、清水忠治(ハナ肇)が出所し、兄貴分の松村(中丸忠雄)に連れられて、親分(田武謙三)のいる花岡興行に戻ってきていた。

驚いた事に、16才の頃パチンコやの店員をしていた所を目にし、忠治が気に入っていた少女光子(大空真弓)が、その社長秘書としているではないか。

聞けば、親分の奥さん由香利(春川ますみ)は捨てられたも同然で、今、銀座のバーのママをやっているという。光子と社長の中を心配する忠治。

さらにその頃、出世のために、上役である常務(十朱久雄)の不細工な娘と政略結婚しようとしていたエリート銀行員、鈴木三郎(谷啓)が、取引先の料亭で働いている雪子(園マリ)から問いつめられていた。

二人はこれまで付き合ってきた仲であったからだ。

そんな三人の男が、東京百貨店という所で開催されていた「メキシコ秘宝展」という催し物で出会う事になる。

社長がアメリカのシンジケートから頼まれたからと、秘宝展で飾られていたオルメカの彫像を盗みに来た忠治、その忠治が、逃げ出す時に転んで、彫像が入ったバッグは、路上で泣き売をするようになっていた詐欺師の酒森、絵美コンビの手に。

帰宅後、彫像に金の匂いを嗅ぎ付けた酒森は、絵美に彫像の偽物を作らせ、バッグに入っていた銀座のバーのマッチと飲み残しの煙草の銘柄を手がかりに、持ち主捜しに出かける。
しかし、そこで酒森が出会ったのは、アメリカで踊るダンサーを捜しに来たという芸能スカウトの伊沢(藤岡琢也)。
酒森は、言葉巧みに絵美を紹介、外国へ行きたがっていた彼女をまんまとアメリカへ厄介払いしてしまうのだった。

その頃、長年憧れだった光子が、社長の女になっていると知らされて激昂した忠治は、親分を射殺するため、社長室を訪れ、暗闇の中にあった人影を撃ってしまう。

しかし、その人影は銀座のバーのママであった。
実は、彼女は、直前に、松村によって殺されていた死体だったのだが、そんな事とは知らない忠治は、松村に言い包められるまま、死体の処理に困り、見知らぬ車に死体を乗せてトンズラしてしまうのだった。

その車の持ち主は何と鈴木三郎。
ちょうど、婚約者を家に送る途中だったのだが、死体を見つけた三郎は、驚愕のあまり、死体の処理に困り、橋から投げ落とすのだが、橋の下には、酒森のボロ家があったから、さあ大変。

朝目覚め、死体を発見した酒森は、またまたその処理に困り、帝京医科大学へ解剖用の死体として持ち込む事にする。

しかし、無事、死体を、ガン治療の第一人者といわれる中村博士(藤田まこと)に渡して逃げ帰ろうとしていた酒森は、謎の外国人グループによって拉致されてしまうのだった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

全部で2時間40分にも及ぶ大長編コメディ映画の、ほんのサワリの部分である。

ナベプロが総力を挙げて作った作品だけに、ゲストも豪華なら、内容も豪華。

全員、自分が銀座のママを殺したと思い込んだ三人が、やがて、アメリカで再会し、土地のギャングたちが捜していたメキシコのピラミッドの地図をめぐる騒動に巻き込まれて行く…という展開になって行く。

アルカトラズ島、ゴールデンブリッジ、サンフランシスコの町並み、そして、メキシコ、アステカのピラミッド…と、大掛かりなロケが敢行されている。

クレージーキャッツの面々だけではなく、後輩に当たるドリフターズの面々、中尾ミエ、ザ・ピーナッツ、最後には、ジュリーこと、沢田研二まで登場、まさにナベプロ総出演といった趣である。

クライマックスのピラミッド内では、「インディ・ジョーンズ」顔負けの仕掛けが登場、大いに楽しませてくれる。

さすがに、あまりの長さに途中、若干ダレる部分もないではないが、全体としては、結構充実した内容になっていると感じる。

往年のナベプロの力技を感じる作品となっている。