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続・忍びの者

1963年、大映京都、村山知義原作、高岩肇脚本、山本薩夫監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

天正9年9月、織田信長(城健三朗=若山富三郎)の伊賀攻めによって壊滅状態になった伊賀忍者の残党たちは、ばらばらに里から逃げ延びたものの、執拗な信長の掃討作戦により、次々に見つかっては惨殺されていく。

そんな中、妻マキ(藤村志保)との間に、吾平という赤ん坊をもうけた伊賀忍者五右衛門(市川雷蔵)は、木こりに身をやつし、森の中で親子3人仲睦まじく暮していたのだったが、織田の捜索隊に見つかり、吾平を目の前で囲炉裏の火の中に投げ入れられて殺されてしまうのだった。

捜索隊は全員返り討ちにしたものの、子どもを失って傷心の五右衛門は、マキの故郷である紀州雑賀(さいが)に戻り、妻と共に一向一揆の最後の残党たちの仲間となるのだが、そこに現れた服部半蔵の入れ知恵により、日頃から信長にないがしろにされていた明智光秀(山村聡)の元に潜り込んだ五右衛門は、光秀を言葉巧みに操り、信長に謀反を起こすようにけしかけていく。

そして、本能寺の変。

燃え盛る寺の中で、憎っくき信長と対峙した五右衛門は、信長をなぶり殺しにしていくのであった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼


あの『釜茹での処刑で有名な、大泥棒の石川五右衛門(ルパン3世の五右衛門の御先祖と言った方が分かりやすいか?)が、もし忍者だったら・・・』という大胆な発想で書かれた、村山知義の原作を、山本薩夫監督が市川雷蔵主演で映画化し、大ヒットをした前作「忍びの者」を受けての、シリーズ第二弾。

予算をかけた大作仕立てになっている。

「梟の城」と似たようなストーリー展開なのだが、こちらは単純明快「復讐劇」である。
若山富三郎演ずる織田信長は、徹底した「悪役」として描かれている。

本能寺の変まででも、一本の映画として十分な内容なのだが、本作では、ここまででストーリーの半分という贅沢さ。

後半は、今度は羽柴秀吉(東野英治郎)が、雑賀の一向砦を攻め、援軍の根来衆を五右衛門が呼びに行っている間に砦は全滅、最愛の妻マキも犠牲となったため、ラストは秀吉への復讐…という展開になっていく。

全編、一体何百人登場しているんだといいたいほどの壮大な戦乱絵巻。
物凄く大きなミニチュアを使ったと思われる特撮炎上シーンもあるのだが、一向砦の決戦シーンは実物大の屋外セットを、本当に破壊している。

今風の派手なアクションを強調した演出ではないが、それがかえって、全体的な風格を高めているように感じられる。

信長の元に差し向けられた伊賀のくノ一、タマメ(坪内ミキ子)が、美少年森蘭丸を演じる山本圭と結局恋に落ちてしまう…という風に描かれているのは、色気に乏しい物語への潤いを与えるという意味もあるのだろうが、女性にロマンを求めたいという男のはかない願望も感じられるようで、ちょっと興味深い。

ストーリー的には、ちょっと単調かな?…という気もしないではないが、なかなか見ごたえのある作品に仕上がっている。