TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

日本一の色男

1963年、東宝、笠原良三脚本、古澤憲吾監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

女学校の卒業式、「仰げば尊し」を哀し気に歌う女学生達のメロディが、途中から別のメロディに変わっていく。

ピアノを弾いていた男性教師が、勝手に歌いはじめたのだ。
教育者としてはあるまじき行動に、校長は激怒、その場で、その教師を首にしてしまう。
ケロッとして、あっさり学校を去る男、その教師を慕って追い掛けて来る女学生達。

その男、銀座に現れると、ローズ化粧品の本社ビルに並んでいた長い女性たちの列を見て近づく。

聞けば、セールスレディの就職試験だという。

男は、何の躊躇もなく会社に入っていくと、あたかもそこの重役でもあるかのように面接に訪れた彼女達を丸め込み、まんまと化粧品を売り付けてしまう。

さらに、その実績を社長(田崎潤)直々にアピールすると、強引にセールスマンとして入社してしまうのだった。

その調子いい男の名は、光(ひかる)等(植木等)。

彼は早速、会社一番のセールスレディ、金山丸子(団令子)から、お得意さまのおこぼれ情報として、女性政治家の権田原コチ(京塚昌子)を紹介してもらうと、図々しくも、屋敷に上がり込み、言葉巧みに、化粧品を売り付けてしまう。

さらに、コチの亭主(ハナ肇)の愛人と聞かされた、新橋の芸者、雪桜(草笛光子)の元を訪問、これまた、調子良く化粧品を売り付けていく。

このように、次から次へと、小耳に挟んだ女性の元を訪れては、口先三寸の話術で、化粧品を売り付けていく光のセンスとバイタリティに、相手の女性たちは惚れ込んでいくのだった。

しかし、何故か、光は、彼女達の誘いに乗ろうとしなかった。
一人暮らしの光は、何か目的があって、地道に金を溜めているようなのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

植木等主演の「日本一〜」シリーズの記念すべき第一作。

基本的に植木等の独壇場で、他のクレージーの面々、谷啓は、新星チャームスクールの経営者日暮道江(淡路恵子)の夫、小俣役として、石橋エータローは、ママ春子(石川由美)が勤めるバー「シャルマン」のバーテン、桜井センリは、植木の住むアパートの大家、犬塚弘は、週刊読捨の記者としてちらり登場する。

全体的には、ホラ話のような調子良さで、エピソードの合間合間に、植木の歌が入る趣向になっている。

「♪お〜れ〜は、この世で一番、無責任といわれた男!」という有名な「無責任一代男」も披露される。

女優陣は他に、高取社長(由利徹)の愛人で、チャームスクールの生徒ナオミとして浜美枝や、藤山陽子、中真千子、九里千春などが登場する。

中でも、男勝りの豪快な政治家に扮する京塚昌子はおかしい。

植木の上司になる浦和部長、お馴染みの人見明と植木との掛け合いも楽しい。

正に、高度成長期を後押ししたといって良い、超人気者植木等の、軽快でパワフルな活躍は、今観ても心踊る。