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続社長洋行記

1962年、東宝、笠原良三脚本、杉江敏男監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

急性ヘルペスのため、一人、東京に戻ってしまった本田社長(森繁久彌)に代わり、香港のホテルに残された秘書の南(小林桂樹)と東海林営業部長(加東大介)は、思うように現地の代理店との交渉がはかどらず、窮地に陥っていた。

やがて、香港に戻ってきた本田は、現地にある東京亭(東京には香港亭という中華料理店を経営している)のマダム(新珠三千代)同伴で訪れたクラブで、最後の交渉相手と思われたタイガー・コンスの社長と出会っていた南、東海林らと偶然出くわしてしまう。

成行き上、自分も交渉の場に臨むが、相手に乗り気など更々ない事を見抜く。
これまで、いうがままに散財させられてきたコーディネーター役の坂田(フランキー堺)も、単なる「たかり屋」に過ぎない事に気付くか、もう後の祭り。

すっぽかされて機嫌を損ねた東京亭のマダムは、東京に帰ると、常連の中山営業課長(三木のり平)に、社長たちは、香港芸者とお楽しみだったと告げ口をする。

それを、又、口の軽い中山が社内で言いふらしたものだから、話に尾ひれがつき、関係者全員の耳に入る事に。

一方、日本でそんな事になっているとはつゆ知らない本田達は、南の後輩、柳(尤敏)の妹、宗之(洪洋)の口利きで、彼女が勤める美麗公司という大会社の社長と面談する機会を得た後、帰国して来る。

ところが、帰国した彼らを待っていたのは、香港芸者の話。

妻と喧嘩した本田、母親と喧嘩した南らは、同じく、「みどり」のママ(草笛光子)と喧嘩した東海林の家に逃げ込む事に。そこへさらに、妻からやっつけられた中山まで合流し、彼の話から、事の次第を全員知る事になるのだった。

やがて、香港の宗之から、桜堂製薬の経営状況を調べるために、日本に調査に訪れるという電報が、南の元へ届く。

社長の娘めぐみの結婚で、一旦は夢破れていた南だったが、その宗之との再会への期待から、にわかに張り切り出すのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

ありがちの展開といってしまえばそれまでだが、この「洋行記」の売り物は、あくまでも、香港ロケの部分にあるのだろう。

美しい香港の景観に美しい中国美人、それに、互いに勘違いしたお馴染みのおじさんメンバーたちが翻弄されるというパターンである。

敬子(藤山陽子)という彼女が身近にいながら、それに気付かず、勝手に宗之との結婚を夢見る南の運命は…?

最後の最後に、三船敏郎がカメオ出演しているのに注目。

彼の役所が、本作のキーポイントである。

香港のクラブで、フランキーが勝手に連れてきた現地のホステスの一人、森繁がムリヤリ踊らされる事になるお相手は、お馴染み塩沢とき。

怪し気な日本語を操り、後に「香港芸者」の噂の火種になるのは彼女の事であり、そのすっとぼけたキャラクターは、笑いの要素の少ない本作の中では貴重な存在となっている。